VIP担当の空港スタッフ女性、有名俳優のサインを断ったら怒り始めて…
こんにちは。ライターの高木沙織です。
かつてグラホ(グランドホステスの略、現在のグランドスタッフ)として6年間勤務してきた私。みなさんも空港で接する、航空会社の地上職員です。
過去にグラホをしていたと話すとかなりの高確率で、「え、芸能人に会ったことある?」と聞かれますが、答えは、「はい」。とは言っても、私が働いていたのは外資系航空会社なので、日本人の俳優・女優さんよりも海外の有名人が利用してくれることが多かったです。
そして、忘れもしないのがあの超有名ハリウッド俳優さんとの出来事……。
あれは私のエアライン勤務歴が4年目に突入した頃でしょうか。チェックイン業務もゲート業務も熟知し、責任者としてシフトに入ったりするようになった頃です。VIPのお客様のアテンドを担当するための“コンシェルジュ教育”を受けないかと、上司から声をかけられました。
VIPといえば某大手企業の会長・社長や重役、政治家、議員など、接客をする手が震えてしまいそうになる肩書きの方々でしょう? そんな方々のチェックインの手続き。ラウンジまでの案内とそこでのおもてなし、搭乗ゲートへお連れし座席に着くまでのあいだ専属で接客にあたるのがコンシェルジュ業務。
VIPの接客だなんて自信がないし、威圧感があって怖そう。粗相してしまったらどうなるの?
これが当時の私の本心。気が強そうな顔をしている割にはビビりだし、人一倍緊張しやすいんだから。
「もう少し経験を積んでからではいけませんか?」と、生意気にも断ろうとすると……。
「あ、芸能人のアテンドもお願いするよ!」
「はい、やります!」
ミーハーなもので(今は違いますよ)……すみません。食い気味に快諾したのでした。簡単だな、私。
無事コンシェルジュ教育を受け終えると、週に何度かVIPのお客様のアテンドを依頼されるように。シフトに、「高木→〇時~〇時コンシェルジュ」と書かれているのを見るたび手に汗がじんわり、お腹がギュルギュル……。
1か月ほど経った頃です。
休み明け、中番で11時に出社をすると、「ねぇ! 今日のVIPが誰か聞いた?」と、何人にも声をかけられます。
「何? 今日はいつもと違う感じじゃない?」首をひねっていると、支店長室からお呼びが。
「今日のVIPのお客様はA氏(ハリウッド映画にも出演している超有名俳優)です」
なんと!!

勤務4年目でVIP担当になる
大物ハリウッド俳優がきた!
