夏の「マスク日焼け・マスク肌荒れ」はどう対策する?医師に聞いた
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、外出の際はマスクの着用が欠かせなくなりました。寒い時期に使用するのが当たり前だったマスクが、今年は夏の暑い時期にも使用しなければならなくなり、日焼け対策をどうすればいいのか悩む人も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は“すっぴんドクター”こと、聖心美容クリニックの小林美幸・熱海院院長に今年のマスク対策・日焼け対策について聞いてみました。
――今年の夏は外出時にマスクの着用が必須になりそうですね。マスクの形がくっきり残るような日焼けは何としても避けたいです。
小林美幸院長(以下、小林):そうですね。マスク日焼けはマスクをしている部分とそうでない部分とで焼けムラが出てきてしまうことを言います。具体的には、マスクをしている部分のみ白っぽくなるか、反対にマスクをしているところだけ日焼けしているという、2通りの焼けムラがあり得ると思います。
――マスクをしている部分が日焼けするのですか? なぜそのようなことが起こるのでしょうか?
小林:まず、マスクをしていない部分を日焼けするのは、紫外線を直に浴びてしまうからですよね。そして、マスクをしている部分が白っぽくなるのは、紫外線の肌への到達量が少なくなるからです。マスクの素材によってはUV対策がされていないものもあるので到達量はゼロではありません。そのため、マスクを着用していても多少日焼けはします。
マスクをしている部分が日焼けするもう一つの原因は、汗・蒸れ・摩擦等で顔に塗布した日焼け止めが落ちてしまうためです。特に鼻や頬などの出っ張っている部分はマスクと擦れやすく、日焼け止めも落ちやすいのです。
こうした焼けムラを防ぐためには、日焼け止めを2~3時間おきに、顔全体に塗りなおすこと。十分に肌になじみ、乾いてからマスクを装着するようにしましょう。また、塗りなおす際は、塗り忘れしやすい耳や目の周り、うなじ、あご、首、デコルテなど、広い範囲にまんべんなく塗ることが大切です。
――夏になると汗をかいてマスクの中で蒸れて肌荒れしないか心配です。蒸れて肌の状態が悪くなるとどのような肌荒れが起こりやすくなるのでしょうか?
小林:考えうる肌荒れとしては、
①皮膚の炎症
②保湿過剰による肌の不調
③摩擦による肌荒れ
④ニキビ
があります。
まず、①の皮膚の炎症について、皮膚はもともと弱酸性なので、アルカリに傾くとニキビ菌などが繁殖しやすくなります。布マスクも不織布マスクも、汗をかいた状態で長時間使用すれば雑菌が繁殖しやすくなりますから、次の日も同じマスクをつけるのは皮膚炎を起こす原因になりかねません。発汗することで皮膚がアルカリ方向に傾きやすくなるので、長時間汗をかいている状況は避けたほうが無難です。
ただ、使い捨てマスクを1日に何度も付け替えることは経済的にも難しいと思うので、洗濯した布マスクを何枚か持参し、汗をかいたら取り換えることをおすすめします。その際は日焼け止めの塗り直しも忘れないようにしましょう。
②の保湿過剰による肌の不調は、マスクをしていると汗と呼気で保湿過剰になりやすいために起こりうる肌荒れです。日中は保湿ケアを少なくして、夜のスキンケアで適度な保湿をすることが必要だと思います。
マスクをしている部分も日焼けする
ニキビや炎症の原因に!マスクの着用で起こる肌荒れ

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