女子の中学お受験でモヤッ。早慶付属中で女子の募集はなぜ少ないのか
「学校側の発言はほぼ本音でしょう」
大人びた女子と子供っぽい男子
――たしかに、思春期の女子は、同学年の男子よりも活発な子が多い気がします。
おおた「思春期の子どもは発達段階的に、男子に比べて女子のほうが肉体的・精神的・学力的に早く成熟するというのは、2006年に発行された『ニューズウィーク日本版』の男の子はなぜ女の子より劣っているのか、という記事の中でも、科学的に指摘されていました。このように、社会的に女性が弱者になりやすいことに対し、この時期の男性は生物としての弱者になりやすい、ととらえることもできます。
実社会の男女比はたしかにほぼ1対1ですが、それを発達の差が大きく出る時期の同年齢だけで区切られた集団の中で、そのまま再現することは、本来難しいことかもしれないのです。このことを考慮したうえで、学校側は男女比を調整して、双方にとってベストなまなびやを作っている、と考えることができます」
――子どもたちの発達段階にあわせて、男女比を調節することで学校側がまなびやを作っている、と知れば納得度も少し高まります。
では、学校側は男女比によって、どのように学ぶ場所を作っているのでしょうか?続く後編では、それぞれの学校が設けている募集人員の男女比から、まなびやとしての意義を考えてみます。
【おおたとしまさ】
1973年生まれ。教育ジャーナリスト。著書は『名門校とは何か?』『ルポ塾歴社会』『受験と進学の新常識』など多数。
<文/瀧戸詠未>
⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】瀧戸詠未
大手教育系会社、出版社勤務を経てフリーランスライターに。教育系・エンタメ系の記事を中心に取材記事を執筆。X:@YlujuzJvzsLUwkB
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