“ビキニ拒否”の女子選手を米スターも支持「罰金は私が喜んで払うから」
アメリカの大物歌手ピンク(41)が、ビーチハンドボールのノルウェー女子代表チームを支援すると表明した。ノルウェーの女子代表チームをめぐっては、規則で定められたビキニ着用を選手たちが拒否し、罰金が科せられていた。現在開催中の東京五輪でも、体操女子のドイツ代表チームが、慣習とされてきたレオタードの代わりに「ボディースーツ」を着用し、反響を呼んでいる。
今月ブルガリアで開催されたビーチハンドボール欧州選手権に出場した際、規定のビキニの着用を拒否したノルウェー女子代表チーム。18日に行われたスペインとの試合では、ビキニではなく短パンを着用して出場した。
しかし、国際ハンドボール連盟がビキニの着用をユニフォーム規則と定めていることから、ヨーロッパハンドボール連盟(EHF)はノルウェー代表チームの行動を「規則違反」と判断。チームに合計1500ユーロ、およそ20万円近い罰金を科した。
けれども、この措置には各方面から異論が噴出。「女性の選手を性的に扱うことをやめるべき」などの声が上がる中、米音楽界を代表する大物シンガーのピンクも、ノルウェーの女子選手たちを支持することをSNSで表明した。
国際ハンドボール連盟の規定では、女子選手が着用するビキニは体にフィットし、側面の幅が最大10センチで、脚の付け根に沿って上向きにカットしている形のものが求められている。
近年、議論が高まっている女子選手のユニフォーム問題。現在開催中の東京オリンピックでも、一部の女子選手が従来のユニフォームを着用しない動きがみられた。
今月25日に行われた東京五輪・体操女子の予選で、ドイツの選手たちが、レオタードではなく、全身を覆うボディースーツを着用したのだ。
「罰金は私が喜んで支払う」米セレブが立ち上がる
「ノルウェーのビーチハンドボール女子代表チームが、非常に性差別的なユニフォームのルールに抗議したことを本当に誇りに思う。ヨーロッパハンドボール連盟こそ性差別で罰金を科されるべき。よくやったわ、皆さん。罰金は私が喜んで払うから。このままどうか頑張ってね」 同じ競技の男子選手がショーツの着用を認められている一方で、女子選手にビキニ着用を求める規定は「性差別的」と批判したピンク。その規定に抗議の意思を示したノルウェー女子代表チームに代わり、EHFから科せられた罰金の支払いを肩代わりする意向を明らかにした。 今年5月には、音楽業界の性差別について語っていたピンク。かつては、女性シンガー同士を競わせるような風潮があり、女性にとってフェアな環境ではなかったと指摘していた。そして「今は状況が変わって、女の子が女の子をサポートしている。それって最高だよね。見ていると嬉しくなる」と語っていた通り、ノルウェーの女子選手たちをサポートすべく、今回自ら立ち上がった。I’m VERY proud of the Norwegian female beach handball team FOR PROTESTING THE VERY SEXIST RULES ABOUT THEIR “uniform”. The European handball federation SHOULD BE FINED FOR SEXISM. Good on ya, ladies. I’ll be happy to pay your fines for you. Keep it up.
— P!nk (@Pink) July 25, 2021
女子選手にだけ「体にフィットしたビキニを着用」の規定
けれども、男子選手のユニフォームがショートパンツであるのに対し、女子選手がビキニを着用しなくてはならない規定については、以前から「性差別的」と批判や疑問の声があがっていた。 ノルウェー女子代表はそうした規定に異議を唱え、欧州選手権の開幕前から、短パンで競技に臨むことをEHFに許可を求めていたともいわれている。残念ながら、その訴えが聞き入れられることはなく、EHFからはビキニを着用しなかった場合は、罰金の対象になるとの通達もされていたそうだ。 それでも短パンで試合に出ることを選んだノルウェーの女子選手たち。
ノルウェーハンドボール連盟(NHF)は、選手たちの決断を支持し、チームに課せられた罰金を連盟が支払う用意があると表明した。 その一方で、EHFのマイケル・ウィーデラー会長も声明を発表。「EHFは選手たちのユニフォームの規定の変更に関し、全力を尽くす所存です。性別に関係なく、全ての人にベストな方法でこのスポーツを広めていく最大限の努力をしていきます」として、ユニフォーム規則を見直していくことを約束した。
東京五輪では体操女子の選手がレオタードを着用せず
ボディスーツの着用が規定上認められているという体操競技だが、女子選手たちはこれまで、レオタードを着て出場することが慣習となっていた。今回、ドイツの選手たちはこの風潮に一石を投じたかたちとなったが、今後このトレンドが続くかどうかが注目される。 女子選手のユニフォームをめぐっては、盗撮被害や性的な画像の拡散が問題になっており、日本では、女性アスリートの画像がアダルトサイトに掲載されたとして、逮捕者も出ている。 <文/BANG SHOWBIZ、女子SPA!編集部>