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結婚して一度もセックスなし「愛情は給料で示してる」と言う夫に、悩んだ妻の決断は

 30代夫婦のすれ違いやセックスレスの悩みをリアルに描く、松本まりか主演のドラマ『それでも愛を誓いますか?』(ABC・テレビ朝日系)が、10月2日(関西地区では10月3日)からスタートします。  これまで女子SPA!でも繰り返し取り上げてきた、夫婦のセックスレス問題。セックスレスから不和が生じて不倫や離婚に至る夫婦もいれば、身体の繋がりはなくとも問題なく円満な夫婦もいます。この違いは一体どこにあるのでしょうか。 「問題は、夫婦のコンセンサス(合意)が取れているかどうかです」と語るのは、夫婦関係を長年取材し『夫の不倫がどうしても許せない女たち』(朝日新聞出版)など著書多数の亀山早苗さん。話題の作品と夫婦の問題を、亀山さんが読み解きます(以下、亀山さんの寄稿)。

セックス=愛と信頼? セックスレスの何が問題なのか

 愛し合うカップルならセックスをするのが当然、セックスは愛情の証だとする考え方がある。一方で、「愛していない人と性欲だけで結びつくこともある」と知っている人も多い。  性をふたりの関係の中でどの程度、重視するのか、あるいは個人として相手との生活を送る上でどのくらい比重を占めるのか、それは個人差が大きいところでもある
夫婦

写真はイメージです(以下同じ)

 結婚して夫婦となり、子どもを望んでいるなら「セックスして当然」だろう。ただ、相手が「今、子どもをもちたくない」「今はセックスする気がない」と感じていたら、夫婦間で大きな齟齬(そご)が起こる。  お互いを思いやっているのに、ことごとくすれ違ってしまう夫婦の心理を緻密(ちみつ)に描いている萩原ケイクさんの漫画『それでも愛を誓いますか?』(双葉社)が話題となっている。これが松本まりかさん主演でドラマ化するとのことで、大きな注目を浴びそうだ。

『それでも愛を誓いますか?』相手を思うほど本音を言えない

 35歳の主人公・純は、4歳年上の武頼と結婚して8年目、セックスレスになって5年が経過している。子どもはまだいない。武頼は大手ゼネコンに勤め、多忙な日々を送る。一度は専業主婦になった純だが、「夫に養ってもらっている」ことに引け目を覚え、再就職を決意するも、一度、専業主婦になるとそう簡単に就職先は見つからない。ようやく派遣社員として仕事をするようになるが、夫は「無理して働かなくても、オレが養ってやるから」と言う。  この言葉、ありがたいと思う女性もいるかもしれないが、現代では複雑な思いを抱く女性も多いだろう。老人施設にいる純の母についても、武頼は温かく接してくれるのだが、夫の行動をありがたいと思えば思うほど純の本音は「なぜセックスしてくれないの?」につながっていく。
それでも愛を誓いますか?

萩原ケイク『それでも愛を誓いますか?デジタル版:1』 (双葉社)

 一方の武頼にも事情はありそうだ。幼い頃に虐待家庭に育ったらしいトラウマ、「いい父親になりたいからこそ、子どもを持つのが怖い」こと、そしてがんばっている妻への引け目もある。「妻は本当は料理が得意じゃないし好きでもない」と夫は見抜いている。だが、それを妻には言えない。  お互いに相手を追い詰めてはいけないと思うからこそ、本音を言えずにギクシャクしていくのだ。  そんなとき、純は夫が外で女性と子どもと一緒にいる姿を目撃してしまう。それも夫には言えないままだ。純もまた、再就職した会社でともに仕事をする一回り下の篤郎のことが徐々に気になっていく。  セックスレスだから不倫をするとは限らない。不倫をする人は、夫婦仲がうまくいっていてもするものだし、「愛妻家を自他ともに認める男性」であっても不倫することはある。  一般的に言って、夫婦間のセックスレスというのは何が問題なのだろうか
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「セックスの話が夫婦間でタブーに」39歳女性のケース
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