日本に住むミャンマー人たちが母国支援のためレストランを立ち上げ。その思いを聞いた
池袋にある、ミャンマー料理店「Spring Revolution Restaurant(スプリング レボリューション レストラン)」が、飲食代の収益をすべてをミャンマーへの支援に募金していることがSNSなどで話題になっています。

2021年2月1日からミャンマーで始まった、国軍が起こしたクーデター。新たな軍事政権により国家顧問のアウンサンスーチー氏らが拘束され、これまでの民主政権が弾圧されています。市民は職場を放棄したり、市内で抗議デモを行うなど様々な手を使って「不服従運動」で抵抗しています。
この抗議運動を長く行う中、人々は長期間無収入になるなど、生活が不安定になってきました。そこで、ミャンマー国内の困窮した人々を助けたいと日本に住むミャンマー人たちが立ち上がって、6月1日にレストラン「Spring Revolution Restaurant」をオープンしました。
今回、お店の代表であるレイさんに、あらためて「Spring Revolution Restaurant」の立ち上げに込めた思いを聞きました。レイさんは2013年にミャンマーから日本へと渡り、ふだんは看護師として働いているそうです。
「ミャンマーってもともと給料が少ないうえに、クーデターに対抗する市民的不服従運動などで1ヶ月給料がもらえない、みたいなことになると本当に市民の生活が大変なことになります。だから、日本にいる自分に何ができるのか考えて、最初は駅前で募金活動をしたり、自分の貯金を支援金にしたり、活動してきました。
だけど、自分の貯金で支援するのにも限界が来ました。また、募金活動も人から助けてもらうばかりではいけないし、何かお互いのためになることで、長期的にミャンマーを支援していく方法はないかと考えて、ミャンマー料理のお店を出すことにしました。
コロナ禍なので勇気がいる決断でしたが、日本のメディアではミャンマーの情勢があまり報道されないので、お店を構えて自分たちが情報の発信もしていけたらなって。
6月1日に20人くらいしか入れない小さなお店をオープンしたんですけど、すぐに行列ができて、200人くらいのお客さんが来てくれることもありました。なので、いろんな方に協力してもらって2週間で現在の広い店舗に引っ越しました」

レイさんの呼びかけやボランティアの方々の協力で、連日たくさんのお客さんがお店に訪れるように! 客層は、在日ミャンマー人と日本人の半々くらいだそうです。
また、お店のスタッフは在日ミャンマー人を中心としたボランティア。大学生や社会人など様々な方が働いているそうです。
ちなみに、店名の「Spring Revolution Restaurant」は、ミャンマー市民による「不服従運動」のことを表す言葉「春の革命」を訳したもの。自由と平和のために命をかけて戦っている、ミャンマーの人々への応援とともに、民主主義が戻るまで戦い続けるという熱意を含めて命名されました。
「現在、お店の売上は家賃やガス代など必要経費以外は全額ミャンマー支援に当てています。毎月何十万円、ときどき何百万円のお金を募金することができるので、お店を始めた意味はあると思っています。
ただ、ミャンマーの情勢が落ち着くまでまだかかると思うので、長期的に支援できるよう、ボランティアだけに頼らず、ビジネス的にも成り立つようにしていかないといけないかな、と今はいろいろ考えているところです。また、ミャンマーの伝統的な少数民族のことなど、ミャンマーの魅力も伝えていきたいです」

日本に住むミャンマー人たちが立ち上がってレストランを開店
最初は個人的に支援していた


店名は不服従運動を表す「春の革命」から


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