足早にリビングへ戻り、義母の横で眠る我が子を抱きかかえた亜紀さん。スマホと財布だけ持って家を出ようとしたところ、亜紀さんのあまりの形相に、義両親は目が点になっていたそう。

「今日はもう帰りますね。お世話になりました」とだけ伝え、亜紀さんは義実家を後にしました。
何も知らない夫は起きる気配もなく、義両親もあっけに取られたまま声も出ない様子でした。
「とりあえず米沢駅前のホテルで一泊して、落ち着こうとしたんです。
でも時間を追うごとに許せない気持ちが募ってきて…。翌朝のつばさ252号で東京に戻りました」
その後、夫は気まずそうな顔で東京の自宅に帰ってきたそう。義両親と話して、ようやく事の重大さに気がついたようでした。亜紀さんの夫は土下座して謝ったそうですが、裏切られた気持ちでいっぱいの亜紀さんはどうしても許すことができなく、実家へ身を寄せて別居しているとのこと。
「子どものことを考えるとなかなか離婚に踏み切れないのですが、
この先夫のことを再び信じることができるかと自問自答したとき、やっぱり自信がなかったんです」
「離婚」という二文字と葛藤しながら、現在も別居生活を続けている亜紀さん。時間が解決してくれるとよいのですが。
―シリーズ「義実家エピソード」―
【他のエピソードを読む】⇒
「実録!私の人生、泣き笑い」の一覧へ
<文/北見ちひろ>