父が緊急入院。病室にかけつけた娘がふるえた父の一言とは?
いつも接している家族が健康なのは、「幸せで当たり前」ではありませんよね。今回はそんなことに気づかされた女性のエピソードをご紹介しましょう。

永野久美子さん(仮名・28歳・派遣社員)は、両親と実家で暮らしています。
「私の父(53歳・会社員)は、無口でクソ真面目な性格なので、私や母(51歳)に歩み寄って笑わせようとか一切しない人で」
しつこく「ねぇ、何か面白い話してよ」と言うと、お父さんの好きな歴史小説や釣りの話をしてくれるのですが、毎回久美子さんやお母さんは退屈で眠くなってしまうんだとか。
「私と母はバラエティー番組が好きでよく一緒に観るのですが、父はそんな私達を横目に『こんなのくだらない』とブツブツ言いながら自分の部屋にこもってしまうんですよ。とにかく昔から趣味が合わないんですよね」
そんなある日、久美子さんが会社で仕事中にお母さんから着信がありました。
「こんな時間に珍しいなと思っていると『お父さんが、脳梗塞で緊急入院した』とLINEがきて、血の気が引きました。とにかく早退させてもらい病院に走りました」
電車で教えてもらった病院の最寄駅まで行き、タクシーに飛び乗った久美子さんの頭の中は「昨夜もつまらないことでお父さんにからんでしまい、まだ謝ってもいない。もしあれが最後の会話になってしまったらどうしよう」「自分の趣味ばかりを押し付けず、もっとお父さんの好みを尊重してあげればよかった」など、後悔の念が渦巻(うずま)いたそう。
「病室に入ると母はいなくて、ベッドに仰向けに寝ている父と2人きりでした。父のまぶたがゆっくり開いて、私をジッと見つめてきたので『お父さん、私だよ!分かる?』と声をかけました」
するとお父さんは、久美子さんから目をそらさずに「く…」と唇を動かしましたが…。

写真はイメージです(以下同じ)
無口でまじめな父が倒れた
病院にかけつけると…

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