2023年は山田裕貴の年になる!ここ8年の変貌ぶりを振り返り、春ドラマ主演に期待
今、もっとも実力がある俳優は誰かと聞かれたら、それは山田裕貴だと即答できる。
山田裕貴を認識したのは、あるショートドラマを見たのがきっかけだった。キットカットが受験生を応援するために製作した『ふたりのきっと、』(2015年公開)で山田は、受験をひかえた主人公の女子高生を励ます誠実な大学生を演じていた。
監督は古厩智之。日芸(日本大学芸術学部)出身の古厩監督の作品だったことから、当時日芸在学中の筆者はこの作品を見て、山田裕貴に自然と親近感を抱いた。まだ目立った出演作品が多くはなかった山田が、“日芸ゆかり”の『ふたりのきっと、』で表現した等身大で繊細な演技力は、彼が大きく才能を伸ばす前哨戦になったことは間違いない。
そして2023年2月10日、ついに山田裕貴がGP帯連ドラ初主演を飾ることが発表された。晴れて山田が主演する『ペンディングトレイン』で脚本を担当するのが、TBSドラマで数々のヒット作を放ってきた金子ありさである。彼女もまた日芸出身者で、古厩監督の後輩にあたる。まるで山田は、日芸卒業生による作品で芽吹き、ついにはキャリアの頂点まで極めたかのような印象を受ける。
『ふたりのきっと、』が公開された2015年1月当時、山田はネクストブレイク候補のひとりだった。同作でイメージされたのは、センターわけの爽やかな大学生像で、感じがよく、共感しやすいタイプである。今でこそ、コミカルからシリアスまでカメレオン的に役柄を演じわけている山田だが、ところがどうだろう、それからちょうど8年後、現在の彼の豹変ぶりときたら。
北川景子主演の月9ドラマ『女神の教室~リーガル青春白書~』(フジテレビ系で毎週月曜日よる9時放送)で山田が演じるキャラクターのビジュアルは、かなり様子が異なる。東京地方裁判所の裁判官だった柊木雫(北川景子)が教師になることになったロースクール「青南法科大学院」で同僚教員、藍井仁(山田裕貴)を演じる。爽やかなセンターわけはどこへやら、雫が鳥の巣みたいだと言うように、もじゃもじゃで、前髪で視界が隠れるどんよりとした雰囲気。
服装も風変わり。和装の羽織ものに、雪駄を履いた足取りは、他人を寄せ付けない。基本が猫背で、教職員室の椅子の上に雪駄のままで座り込むスタイルもエキセントリック。2015年から2023年の間に、こうもビジュアルの印象に開きが生まれるものだろうか。
力強い眼差し、鼻からすっと抜ける美声は、一度見たら(聴いたら)忘れられない。ビジュアル、演技のスタイルともに第一級の才能を秘めた山田が、『ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と』(TBS系、4月スタート、以下、『ペンディングトレイン』)で、まさかGP帯(ゴールデン・プライムタイム)連ドラ初主演だとは意外だった。 「イケメンと映画」をこよなく愛する筆者・加賀谷健が、現在まで山田が大きくビジュアルを豹変させたことを糸口に、2023年の“電車道の大勝利”(相撲用語、一直線に相手を土俵外へ出すこと)に期待を込めたい。『#ペンディングトレイン 』
— 山田裕貴 (@00_yuki_Y) February 10, 2023
初のGP帯(そう呼ぶんだ)
主演を務めさせて頂きます
僕が伝えたいメッセージを持っている脚本
この人物を見て何を思いますか?
あなたは何を知っていますか?
この萱島直哉という人間にしか
わからない想いがある
誰かが人を見つめ直せる
ドラマになれば嬉しいです https://t.co/adppHCwq3b pic.twitter.com/MF5AKGhfKN