NHK『らんまん』神木隆之介が、30歳目前で見せつける力量がスゴい。円熟した演技を解説
神木隆之介ほど、国民的スター俳優の称号に相応しい人はいないと思う。神木君の演技を見ていると、なにせ癒やされる。
今期のNHK朝の連続テレビ小説『らんまん』(月~土曜あさ8時放送)は、「植物分類学の父」である牧野富太郎をモデルに、主演の神木ならではの“神木マジック”がいたるところで華やぐ。
「イケメンと映画」をこよなく愛する筆者・加賀谷健が、“いつまでも見ていたい”と感じる神木隆之介の演技を解説する。
『探偵学園Q』(日本テレビ系、2007年)で、中学生探偵を主演していた頃の神木隆之介を懐かしく思う。同作で、世界秩序転覆を目論む強大な敵に果敢に挑む姿が、今でも目に焼き付いている。少年でありながら、ここぞという場面では大人っぽい表情をする神木君が、可愛くて可愛くてたまらなかった。
声優として出演した『ハウルの動く城』(2004年)も忘れがたい。ジブリ作品史上最も偉大な魔法使いのひとり、ハウル(声は木村拓哉)の弟子マルクル役に神木の声が吹き込まれる。すると不思議な魔法世界が、現実のように鮮やかに立ち上がってきた。
特別であり、また同時に身近にも感じる。神木隆之介とは、そういう存在感がある俳優だ。
神木のドラマデビュー作は、1999年にTBS系で放送された『グッドニュース』。主演・中居正広の5歳の息子役を演じた。そんな神木も現在、29歳。20年以上の芸歴を誇る。その間、彼の成長を日本国民全員が愛情深い眼差しで、見守ってきたように思う。
つるんと可愛い神木が、滋味深い可愛いさをまとった大人になる。30歳を前にした今、すでに円熟の域に達している感もある。朝ドラ『らんまん』で演じる植物分類学者・槙野万太郎役は、そうした彼の円熟に相応しい役柄だろう。
初週初回の冒頭、山間で野に咲く花を慈しむ万太郎の笑顔が、爽やかに吹き込む。国民的スター俳優の表情を朝の春風のように感じる毎日が、どんどん楽しみになる。

© NHK
特別であり身近にも感じる存在感
国民的スター俳優の表情

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