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「男女平等オトコ」のメンドくせー言い分

 男女雇用機会均等法施行から既に20年以上が経過した昨今、新しい時代にあった性差の在り方が議論される機会が増えた。 恋愛, 悩めるオンナたち, 結婚 ネット上はもちろんのこと、ジェンダーハラスメントに関するセミナーを行う企業も増え、旧来の男女観から脱却しようという動きが進んでいる。  そんな中、「男女平等であること」に異様にこだわりを見せる男性も増えつつあるという。  谷中ミキさん(仮名・28歳)は最近デートをした男性について語る。 「初対面の時から、『男女平等』をやたら強調する人だったんです。その時は、色々考えの深い人なんだなーと思っていたのですが。いざ、デートしてみると意地でも損してやるもんか!という凄まじい執念を感じた」  一軒目の食事代10000円程度は、彼持ち。二軒目は当然、谷中さんが払うつもりだった。  だが谷中さんを一気にクールダウンさせた一言は「次は当然、キミがおごってくれるんだよね? 男女平等だから」だった。 「そんなの言われなくてもわかってるのに、わざわざ声に出して言うなんて小さいな……と。帰り際に、スマートに私に出させる雰囲気を出すとか、もう少しやり方ってもんがありますよね。男女平等というなら私の顔を立てろよ、と」  しかも谷中さんが最も許せなかったのは、男性の「可愛いコぶりっこ」。 「『男のコはさあ、認めてもらいたいものなの』が口癖で、それをアヒル口で言うんです。いい大人が『男のコ』とか言うな」  当然次のデートはナシであった。  また、会田由香さん(仮名・32歳)は結婚話が進んでいる同い年の彼の嫌な言い方に辟易している。  社内デザイナーの由香さんは最近、大口案件のリーダーを任されることになり、キャリアアップに邁進する意気込みに燃えていた。  彼はそんな会田さんの気持ちを汲んでくれていたはずだった。 「先に言っておくけど、結婚後はカンタンに仕事を辞めたりしてもらうのは困る」  会田さんは「もちろん、仕事は続けるつもり」と話した。 「そうしたら彼、『最初はみんなそう言って、結局しんどくなると意見を変えるんでしょ』と。彼の同僚の女性たちに、結局仕事を辞めていった人が多いからって……確かに、妊娠したら思うように働けなくなるし、その時の体調や状況で自分がどんな判断を下すのか自信がない。でも、最初からそう決めつけて、頭ごなしに言わなくてもいいですよね? 『正直、共働きにしてもらわないと成り立たないと思う』って。私は、彼に頼ろうだなんて少しも思っていないのに、先回りしてそんなことを言われても不愉快。逆に、そんなふうに見られていたんだ……とがっかりしました。今後も信頼関係が築けそうにないな、と思って、結婚を思いとどまっています」  女は奢られて当然、結婚後は女は家庭に入って当然……という旧態依然とした価値観に抵抗を示す人は男女ともに多い。  だが、過剰に反応しすぎても男の器が知れるのではないか。権利の平等を執拗に主張しあうのではなく、人として互いに思いやりたいものだ。 <取材・文/ヤサ・グレ子>
ヤサ・グレ子
やさぐれ系女子ライター。オッサンの皮を被った乙女。本当は可愛いもの大好き。
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