60代からの「ちょうどいい友達付き合い」のコツ。友達の数より大切なのは“ある姿勢”
年を重ねるにつれて、誰しも自分を取り囲む人間関係が変わっていくもの。
仕事や子育て関係の人間関係がなくなって寂しさを感じる人もいれば、逆に一人の時間を楽しみたいと思う人もいるはず。
60代以降のほどよい人間関係のつくり方を、著書『60歳のトリセツ』の中で提案するのが、脳科学者の黒川伊保子さんです。
60代女性にとって、ストレスを生まない人との付き合い方について黒川さんに伺いました。
苦手な人とは距離を取り、自分の時間を大切にしたい。仕事や子育てからも手が離れた60代頃になると、誰しもそう思い始めるもの。
ただ、声をかけてくれる人を冷たく突き放すわけにもいきません。その際の対処法を、黒川先生に伺いました。
「私がおすすめするのは、“夢中になれる対象を一つ作っておくこと”です。
何かしら自分が一生懸命になれるものを見つけて、日頃から周囲に『自分はいまこれに夢中になっているんだ』ということを伝えておきましょう。英会話や韓流ドラマ、ダンスなどなんでもかまいません。
エステや美容院、買い物などだと、『私も行きたい!』とついてこられる可能性もあるし、何度も口実にするには不自然なので、次に断る口実にはできませんよね。
ただ、自分一人で楽しむ趣味であれば『いまから英会話のウェブレッスンがあるからごめんね』『ハマってる韓流ドラマの続きを、今日中に見ておきたいの』などと、それを口実に誘いを断ることができます。
あと、何かに没頭する時間は脳に良い影響を与えるので、ご自身の時間も豊かになりますよ」
60代以降、少しずつ友人とも疎遠になっていくと、「友達がいなくなってしまうのではないか」と心配になる人もいるかもしれません。
ただ、「女性に関しては、友だちはすぐにできるから大丈夫」とのこと。
「男性は、上下関係がわからないと人間関係がなかなか進みません。よく言われるのが、定年後でも名刺を出しあって相手の肩書が自分より上かがわからないと話を始められない……というケースですね。
でも、女性の脳は上下関係や共通項を見つけるのが上手なので、たとえ全く知らない人が相手であっても、何かしら話題を見つけて、盛り上がることができます。
デイケアなどの高齢者施設でも、女性は二人並んで座っていれば、初対面でもいつの間にか話が始まって、歓談しているそうですよ」

『60歳のトリセツ』
人間関係のストレスを減らす最大の方法
女性の場合は、友達を作るのは意外と簡単

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