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60代、息子や娘に“ウザがられないお節介”の方法。少しの工夫で「また親に会いたいと思う」

良い人間関係を築くなら、不安は口にしないこと

『60歳のトリセツ』 特に母親の場合は、久しぶりに会った子どもに対してついネガティブなことを口にしがち。 「女性は、気付きの天才です。特に長年子育てしてきた女性ほど、子どもに何か異変があったらすぐに反応できるようにという訓練を積んでいるから、脳内の不安センサーが敏感なんですね。  たとえば、子どもが少しおぼつかない足取りだったら『転ぶんじゃないか』と支えるし、何か先のとがったものを手にとったら『目に入ったら大変』とケアしたくなる。  不安を紡いで子どもを育てるからこそ、不安が先に浮かぶのは当たり前なんです」  でも、それが効果を発揮するのはあくまで子育て中だからこそ。成人した子どもの前でネガティブなことばかり口にすると、相手がどっと疲れてしまうので注意が必要です。 「久しぶりに会った子どもに『太った?』『顔色が悪いんじゃないの?』などと開口一番言ってしまい、相手に嫌がられてしまう。  目についた不安よりもポジティブな面を口にするように意識すると、相手も『親にまた会いたいな』と思ってくれるはずですよ」

孫育てについては、頭に浮かんだことをすぐに口にしない

『60歳のトリセツ』 さまざまな子どもとのやりとりの中でも、注意したいのが孫の教育について。孫育てにはつい口を出したくなりますが、これはなんとしてでも避けるべきです。 「親の方が長く生きている分、どうしてもいろんな心配が浮かんでしまうのは当たり前です。孫のように大切な存在については、より一層アンテナが立ってしまいますから。  ただ、大切な人に対する不安というのは、ついネガティブな方向に過剰に向いてしまいがちなので、相手の気分を害することもあります」  たとえば、久しぶりに会った孫が歩きだすのが遅ければ「歩くのが遅いんじゃない?」と心配する。でも、逆に歩くのが早ければ「ハイハイする期間が短いので、腕の力がつかなくなってしまうのでは」と不安になる。平均的なタイミングで歩き出した場合は「この子は平均的すぎてつまらない」などと言ってしまいがち。  どんな結果に対しても、ついネガティブな不安が口をついてしまうのです。 「ただ、忘れてはいけないのは、子どもの成長について一番心配しているのは、両親であるということ。祖父母まで同調したら不安が永遠に垂れ流されてしまうだけです。  祖父母は『坂本龍馬も10歳までおねしょをしてたっていうから、大丈夫よ!』とポジティブに受け流すくらいの距離感を保つことが大切だと思います」 <文/黒川伊保子 構成/女子SPA!編集部>
黒川伊保子
(株)感性リサーチ代表取締役社長。1959年生まれ、奈良女子大学理学部物理学科卒業。コンピューターメーカーでAI(人工知能)開発に従事、2003年現職。『妻のトリセツ』『夫のトリセツ』がベストセラーに。近著に『息子のトリセツ』『母のトリセツ
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