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42歳で乳がんが発覚した私が「生かしてもらっているのに、消えたい」と思ったワケ

 2016年、42歳のクリスマスイブに突如乳がん宣告。(ステージⅡB)。晴天の霹靂だった「がん宣告」から約1年間、泣いたり笑ったり怒涛の日々を駆け抜けた、私のがん治療ドキュメンタリーを連載でお届けしています。 【過去記事】⇒連載「乳がんドタバタ体験記」記事一覧を見る ※治療方針や、医師や看護師の発言は筆者の病状等を踏まえてのものであり、すべての患者さんに当てはまるものではありません。また、薬の副作用には個人差があります。

4年生で“繰り下がり引き算”ができない息子に驚愕

勉強の成績が下がって頭を抱える子ども

※イメージです

 乳がんの治療中に夫婦関係にヒビが入り、メンタル絶不調になったわたし。そこにさらに「息子の進路」という新たな悩みが増えてしまいます。  振り返ってみると、この時期はもしかしたら「さまざまな問題を一気に解決する時期」だったのかもしれません。  当時息子は小学校4年生でした。それまで勉強に遅れている感じもなかったのですが、ある日たまたま計算問題を見ると、繰り下がりの引き算ができていないことに気づいてしまいました。  わたし自身は勉強は嫌いではなく割と進んでやるほうだったので、息子にうるさく言わずとも勝手にやるようになると思っていました。なのでおとなしい息子がのびのびできるよう、幼稚園時代から勉強はうるさく言わず育ててきました。が、4年生で引き算の繰り下がりができないのは衝撃。  今までも家で1秒たりとも勉強せず、小学校に入りたての頃に宿題の漢字プリント1枚をやりなさいというと嫌がって身体をかきむしり発狂……息子は「強制される」ことが大嫌いな性格です。  わたしもわたしで、無理強いしてまでやっても無駄、そのうち自主的にやるようになるだろうと楽観視していました。

受験に関する情報を調べまくる日々

 慌ててあれこれ教育関連のことを調べてみました。いまどきの学校では昔と違い、勉強をできるまでやらせるなどの面倒を見る風潮ではないそうなのです。「各家庭それぞれの方針で」ということらしく、それぞれの家庭の方針で、公文とか塾とかに行かせることが暗黙の了解らしいのです。  結婚を機に引っ越した土地なのでピンと来ていませんでしたが、わが家のある地域は新興住宅地で特に教育熱が高いそう。さらに学区の公立中学は荒れ気味とのこと……。地域の公立を避け、良い環境で育てたいと私立中学に進学するため中学受験をする子が多いというのも今さら知りました。  仕事もやめ、時間だけはあったので、なんとかせねばとそこで高校受験や中学受験について調べていました。すると高校受験は普段の内申点が重要。提出物などを出さない子は特に不利だそうで、すべての手紙がランドセルの底に蛇腹折りになっており沈んでいる息子にはかなり不利な受験であろうと思われました。  だったら中学受験させたほうがいいのではないかと調べると、中学受験をするなら4年生から始めるのが通常とのこと。なんでも中学受験の試験の内容は、小学校で教わる内容とまったく違うので、それ専門の塾に通わなければならないとのこと。  そしてそのスタートは、3年生の2月からなのだそうです。当時息子は4年生の秋。ということは、もうスタート時期さえ逃していることに気づきました。けれど小5くらいから始める人もおり、そのあたりは個人差もあるということでした。  私立中学は、学校により教育方針が違い、環境を選べるのが魅力。息子はのんびり屋でマイペース、からかわれやすいこともあり、小学校でもときどきトラブルがありました。中学生は特に、いじめや不登校などが増える時期。まだ先のこととはいえ正直心配でした。息子には手厚い環境で学生時代を楽しく過ごしてほしい……。
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息子の進路の不安を夫に話すと…
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