同じ境遇のはずの“上戸彩”に抱いた違和感…「当事者の漫画家」が群像劇に込めた思い<漫画>
『実録 泣くまでボコられてはじめて恋に落ちました。』『女(じぶん)の体をゆるすまで』で知られる漫画家・ペス山ポピーさんが改名し、スタニング沢村さんとして上梓した初の創作漫画『佐々田は友達』(文藝春秋)。
陽キャにもオタクにも馴染めない佐々田と、陽キャの女子高生・高橋優希の不思議な友情を中心に、2人を取り巻く人物達の視点から日常を丁寧に描く青春群像劇です。
1巻のラストでは、佐々田が「男の子として生きていきたい」という思いを隠していることが明かされました。
著者のスタニング沢村さんは、自身がノンバイナリー(男性・女性のどちらかに当てはめられることに違和感を感じる人)であることを公表しており、本作には「今悩みを抱えているトランスジェンダーの子供達に希望を届けたい」という思いが込められているといいます。
しかし本作は、「トランスジェンダー」というテーマを前面に出すわけでなく、ストーリーが進んでいきます。そういった作品の背景には、著者が執筆する上で大切にしている思いがあるといいます。