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同じ境遇のはずの“上戸彩”に抱いた違和感…「当事者の漫画家」が群像劇に込めた思い<漫画>

「本当は男の子として生きていきたい」読者の反応

【2巻試し読みアリ!後編記事はコチラ】⇒「学生時代特有の空気」が怖かった…体育祭のフォークダンスで心がズタズタになった理由<漫画> 『佐々田は友達』――1巻の最後で、主人公の佐々田が「本当は男の子として生きていきたい」と思っていることが明かされました。読者の反応はいかがでしたか? スタニング沢村さん(以下、スタニング沢村):受け入れてくれた方もいますし、一方で「興醒めした」という方もいました。  私自身がトランスジェンダーという立場ですし、高校生の頃悩んでいた自分に読んでもらって心が軽くなるような作品を描きたいという思いがあります。でも同時に、一般の読者さんに伝えたくて描いているので、佐々田のカミングアウトがどう受け止められるのか不安でした。 「興醒めした」という方は、おそらくご自身は性自認について悩みはないから、共感できなくなってしまって「佐々田のことを遠く感じた」ということなんだと思います。

「性別による役割」を押し付けられる違和感

――トランスジェンダーではなくても、思春期に女性っぽくなっていくことや、「女性としての役割」を押し付けられることに違和感を覚えたりすることに、共感する人は多いのではないでしょうか。 スタニング沢村:悩み方としては、重なるところはあると思います。日本は女性差別が結構強い国なので、女性は小さい頃から「女の子はこうしろ」と言われることが多いです。そのため、「自分が男の子だったらよかったのに」と思ったり、女性であることが嫌になったりすることがあると思います。  その理由が、トランスジェンダーだからなのか、女性差別やセクハラ被害に遭ったせいなのかはグラデーションになっていて、はっきりと分けるのが難しいと感じています。
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執筆する上で意識していること
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