――一方で赤ちゃんをチャイルドシートに乗せるのは大変、という声も聞きます。
moro「その気持ちもわかります。チャイルドシートに乗るのを嫌がって泣き叫ぶ子も多いですよね。そうなると『かわいそうだから』とチャイルドシートから降ろして、同乗者が抱っこすることがあるかもしれません。でも、
繰り返しになりますが、どんなに自分が注意しても、相手がぶつかってくることもあるんです」
――moroさんは、お子さんをチャイルドシートに乗せる時にどのような心がけをされていましたか?
moro「子どもが赤ちゃんの頃は、チャイルドシートに乗せると毎回号泣でした。でも、こればかりはどうしようもありません。
子どもの命を守るために、泣こうが喚こうがチャイルドシートにはしっかり乗せていました。『かわいそう・どうしよう』と思う必要はない! とわりきっていました。これはお互いの試練だと。私もあなたの泣き声を聞きながらしっかり運転をするから、あなたもチャイルドシートに慣れてね! という心境です」
――お互いに慣れていくことが大事ですね。
moro「はい。あとは、子どもを車に乗せるときはお気に入りのDVDを見せたり、いろんなアイテムを使ったりしていました。
そして、他にも気をつけたいのが『第三者の声』です。実の両親や義理の両親などは、チャイルドシートを着用させないで子どもを車に乗せていた世代です。ですから、必ずチャイルドシートに乗せなくてはいけないという認識が薄い方が多い気がします。
実際にSNSでもフォロワーさんから、
両親が『子どもが泣いてかわいそうだから』と抱っこをして車に乗ってしまう、といったコメントがたくさん届いていました」
――義理の両親に言われても、断固としてチャイルドシートを使う意思が必要ですね。
moro「夫の場合もよく聞きます。夫が運転をしている場合、チャイルドシートで子どもが泣き叫んでいると『気になって運転できないから、抱っこしてやって』と言う方もいるようです。いずれにしても法律違反ですし、何より本当に危ないのでやめてください。
毅然とした態度でチャイルドシートに乗せることが大事です。広い世代の方に、チャイルドシートの大切さが伝わってほしいと思います」
――ショッキングな内容の漫画ですが、改めてチャイルドシートの大切さが伝わりました。
moro「子どもの命を守るのは自分だという気持ちで、今一度チャイルドシート着用について見直してほしいと思います」
警察庁と一般社団法人日本自動車連盟(JAF)が令和5年に調査した結果によると、チャイルドシートの全国平均の使用率は76.0%となっています。経年推移を見ると少しづつ上がって入るものの、まだまだチャイルドシートを使用していない方も多くいることがわかります。

チャイルドシート使用率の経年推移(6歳未満全体)※警察庁のサイトより
また
警察庁のサイトでは上記の数字とともに、
チャイルドシート不使用者の致死率は適正使用者の約4.6倍というデータも示しています。「少しだけだから」という一瞬の気の緩みが、重大事故につながることがわかります。

チャイルドシートを使用しない場合の危険性について ※警察庁のサイトより
自分だけは大丈夫と思わずに、子どもの命を守るのは自分という意識で、チャイルドシートの着用をおこなっていければと思います。
<取材・文/瀧戸詠未>