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ギフテッド夫婦の“意外な子ども時代”「席替えで必ず一番前の席に」「手に負えない子どもだった」

 こんにちは、コラムニストのおおしまりえです。
Naoyaさん・Maiさん夫妻

Naoyaさん・Maiさん夫妻(以下、写真は本人提供)

「自分の子どもは天才なのではないか」――。子育てをしていると、誰しもが一度は抱く感覚でしょう。こうした発想から、ギフテッドという存在は近年注目を集めることも多いですが、当事者のMaiさん&Naoyaさんご夫婦に話を聞くと、そう簡単な話ではないのがわかります。  ギフテッドはもともと「IQ130以上」などの天才児として語られる時代がありました。しかし現在は数値としての基準はなく、一般的に、同世代と比べて知的能力が高かったり、特定分野に際立った才能を持っていたり、ギフテッドによく見られる特性を持つ子どもをそう呼ぶそう。さまざまな特性により、時に、配慮や支援が必要になる子どもも少なくないといいます。  2本目となる今回のコラムでは、どちらも成人ギフテッド当事者であるMaiさん(29歳)とNaoyaさん(28歳)の夫妻に、幼少期の性格やエピソードを教えてもらいました。 【1本目の記事を読む】⇒20代ギフテッド夫婦が明かす幼少期の“人との違い”。「ギフテッド=ものすごい天才」ではない

良さを伸ばす幼少期の環境は何があったのか?

 前回記事では、お二人にギフテッドだと気づいたキッカケや、特性について聞きました。  Naoyaさんはワーキングメモリ(作業や動作に必要な情報を一時的に記憶し、処理する能力)が低い点と、合理性や論理性を重んじるあまり、納得がいかなかった際に感情の折り合いがつきにくいという苦労もあったそう。  一方Maiさんは、OE(過度激動)による感情や行動の激しさと、好奇心旺盛で行動力があるという点が、良さでもあり苦労にも繋がっていたとのことでした。成長過程において、あらゆる気質は周囲の人間関係や環境次第で、抑え込まれたり、コンプレックスとして、子どもの心に刻まれてしまうケースもあるものです。  Maiさんは現在、ギフテッド特性のある子のためのフリースクール・個別指導塾「Lagoon」を運営し、Naoyaさんは南アフリカのケープタウン大学で博士課程に在学中です。今でもそれぞれ、自分の強みと言える能力を発揮しているわけですが、幼少の頃はどんな過ごし方をしていたのか教えてください。 Maiさん「私は好奇心旺盛な性格だったので、自分で企画を立てて実行するのが好きでした。ちょっと変わっているかもしれませんが、小学低学年の頃から『教育』が好きだったのを覚えています。自分から育児書を読み、4歳下の弟に『あんな経験をさせてあげたいな』みたいなことを考えていたんです。例えば、書籍に『子どもの野外活動が大事』と書かれていたので、2時間ほどの遠足を計画し、弟と一緒に町内を巡るイベントを実行したこともありましたね」 Naoyaさん「僕は、段ボールや牛乳パックで工作をする造形教室に通っていたのを覚えています。あとはポケモンカードと『名探偵コナン』が大好きな子どもでした。『名探偵コナン』は今でも好きなんですが、子どもの頃は科学捜査への興味が派生して、科学雑誌などを読み耽るようになりました」

親からみたギフテッドな我が子、やっぱり大変?

Maiさん

Maiさん

 お二人とも、かなり「好き」が早い段階から確立されている印象ですが、親からはどう思われていたかは、聞いたことがありますか? Maiさん「親からは、『自分の意志があって頑固だね』とは言われていました。こうと決めたら、絶対に曲げない子どもだったので。 学力に関しては、私は小学生の頃、学校で知能テストを受ける機会があったのですが、結果は学校内で1位だったそうです。あと、通っていた公文式の教室では、入会数ヶ月で1500枚以上のプリントをこなし、3学年以上先の教材まで進んだ記憶があります。そういう意味で勉強ができる子、という認識は親の中にはあったかなと。 でも、低学年時の担任からすると、私に勉強ができる印象はなかったようです。というのも、1~2年生の頃は席替えで必ず一番前にされていたんですよ。後から親に聞いたら、どうも私は、いつもぼーっとしているように見られていたそうです。何か考え事をしていると、他人からは極端にぼーっとしているように見えていたのかもしれません」 Naoyaさん「僕は論理性への追求と感情のコントロールがしにくいという点で、問題児と思われていました。親からすると、すぐ喧嘩はするし、注意すると訳のわからないことを言うし、協調性はないし、論理的な言い訳は多いしで、理解できないことをやる子って感じだったと聞いています。ただ僕自身は、自己肯定感は高くはなかったですが、自分を卑下することもありませんでした。むしろ、『周りはなんで論理的に納得しないんだろうな』って思ってました。傲慢に聞こえるかもしれませんが、『いつも周りが間違っている』くらいに感じていましたね」
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大人になって「周りが自分に合ってきた」
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