大河『べらぼう』34歳俳優が「NHK作品で重宝されまくる」ワケ。「見せ場が少なそう」と思ったら大間違い
助演として作品を支える名演が目立つ俳優・中村蒼(34)が、この冬大活躍! ドラマ10『東京サラダボウル』と、2025年大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』。それぞれ全く違う役柄で、作品に華を添えています。
最終回を迎えた『東京サラダボウル』で中村が演じたのは、陽気で心優しい警察官・織田。主人公・鴻田(奈緒)とバディを組む、警視庁の通訳人・有木野(松田龍平)にとって大切な存在です。心を閉ざしがちな有木野を想い、寄り添う中村の姿には、恋する乙女のような愛らしさと、母のような慈悲深さを覚えました。元不良という経歴で、ピンク頭で登場した回想はギャップ萌え!
この冬もですが、中村蒼について「NHK作品によく出ている」印象をもっているのは筆者だけではないはずです。
朝ドラには、主人公の幼馴染であり親友という役柄で2度出演しています。窪田正孝主演の『エール』(2020年)では新聞記者を経て作詞家となった村野鉄男を、神木隆之介主演の『らんまん』(2023年)では土木工学を学ぶエンジニアとなった広瀬佑一郎を演じました。どちらも漢気ある誠実さを持ち合わせた人物で、朝ドラ主人公たちに影響を与える存在。中村の名演に魅せられた人も多いでしょう。昨年の『宙わたる教室』でも、再び窪田演じる主人公の友人役として、作品に深みを持たせていました。
NHK×中村蒼といえば、何より『大奥』Season2「医療編」での演技が忘れられません。中村が演じたのは、一橋治済(仲間由紀恵)の長男で11代将軍の家斉。登場時、実権を母に握られまるで操り人形のような家斉の、気弱で覇気がない顔つきはインパクトがありました。しかし回を重ねるごとに自分の意志を持ち、精悍(せいかん)な将軍へと変貌を遂げていきます。家斉の成長や変化を見事に表現し、話題を呼びました。
まったく違う“愛されキャラ”を同期間に演じ分け
一方『べらぼう』では、主人公・蔦重(横浜流星)の義兄・次郎兵衛を演じています。次郎兵衛は、いわゆる“放蕩息子”。家業の茶屋の経営を任されるも、実質の切り盛りは蔦重が行っています。第1話では「役立たずの兄を中村蒼が演じるなんて、贅沢だけど見せ場はあるのか?」と思っていましたが、さすが中村。回を追うごとに、働かないけど憎めない次郎兵衛に惹かれてしまうのです。流行りもの好きでおしゃれに敏感、自由気ままな性格の義兄という設定から、見事に愛される“ダメ兄”のキャラクターを創り上げています。
NHKに愛される誠実さと、“忘れられない演技”
1
2