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大河『べらぼう』34歳俳優が「NHK作品で重宝されまくる」ワケ。「見せ場が少なそう」と思ったら大間違い

“闇”を色濃く映し出し、“光”を纏う天才

中村の魅力はポジティブな好青年ぶりだけではありません。筆者が初めて彼を認識したのは、ドラマ『リーガル・ハイ』の第1話。ガソリンスタンド店長殺害事件の被告人・坪倉裕一を演じています。気性の荒い部分はあるものの、無罪の真面目な少年なのでは……? と思わせておきながら、実は殺人犯なのかも? と含みを持たせる表現が秀逸でした。
また、ドラマ『無痛~診える眼~』で担った難役も印象的。先天性無痛症で無毛症の清掃員・イバラを演じています。髪だけでなく眉までをも剃り落としたビジュアルはもちろんですが、何より心情描写が凄まじかった。痛みという概念を理解できないことへの戸惑いと、薬の副作用による狂気の演技は忘れられません。人間のもつ心に傷や闇を深く理解し表現する力があるからこそ、中村の手にかかればどんな人物も表面的ではない深みのあるキャラクターになるのでしょう。 前述した『東京サラダボウル』における、国際捜査の場で相棒となった阿川(三上博史)の“誤訳”や警察官としての在り方に苦悩する姿にもそれは通じています。

めきめきと名バイプレイヤーの頭角を現す

芸歴20年にもなる彼の出演作を遡っていくと、実に多種多様な役柄を演じてきていることが分かります。今年1月に公開された『室町無頼』では、飢餓と疫病に苦しむ民を横目に贅の限りを尽くす将軍・足利義政。3月14日に公開された『早乙女カナコの場合は』主人公・カナコにアプローチする優しいハイスペ男子と、全く違う顔を見せています。
もっと色んな表情を見たくなる俳優であり、気づけばすでに色んな顔をして作品に溶け込んでいる中村。3月20日に放送される彼の地元・福岡を舞台にした主演ドラマ『山田全自動の福岡暮らし』も楽しみです。 今年も多くの作品に引っ張りだこの中村蒼。彼の活躍から、ますます目が離せそうにありません。 <文/鈴木まこと> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
鈴木まこと
日本のドラマ・映画をこよなく愛し、年間でドラマ・映画を各100本以上鑑賞するアラフォーエンタメライター。雑誌・広告制作会社を経て、編集者/ライター/広告ディレクターとしても活動。X:@makoto12130201
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