朝ドラ出演中の37歳女優が“かつてのイメージ”を手放して得たもの。ロングヘアから大胆イメチェンで
橋本環奈主演朝ドラ『おむすび』(NHK総合)第18週第87回から、中村アンが初登場した。
朝ドラは初出演。ぶっきらぼうな医師・蒲田令奈役を演じている。近年の中村は、クールな役のイメージがあるが、ターニングポイント的な作品はどの出演作だったか?
男性俳優の演技を独自視点で分析するコラムニスト・加賀谷健が、明確なブランドイメージがある中村アンを解説する。
中村アンが初主演したテレビドラマ作品は、2018年に放送された『ラブリラン』(日本テレビ)である。風通しがいい作風のラブコメ作品である同作の主人公・南さやか(中村アン)は、非恋愛人生を送る女性。
本来、華やかそのものを身にまとうかのような中村のイメージとは対照的な役柄で、かなり新鮮に感じた。彼女が演じた南さやかは、日本のラブコメ作品において、地味要素の必需品として扱われるメガネを例にもれず装着。
あまりにベタ過ぎるが、わかりやすいギャップが魅力。第1話冒頭、周囲はクリスマスを謳歌する恋人たちばかり。彼らを横目に、さやかはひとり、おでんを買って帰る。
中村は、非恋愛的な品格を内面的にも外面的にもやわらかなアプローチで表現。初主演ドラマの演技としてもわかりやすい好演であり、その後の出演作へのほどよいイメージ戦略が成功していた。
実際、それ以降の中村は、初主演ジャンルであるラブコメにイメージが固定されることなく、最近ではこれまた新鮮な刑事役に挑戦した『約束 ~16年目の真実~』(読売テレビ・日本テレビ系、2024年)が記憶に新しい。黒を基調にした衣装をまとったクールな刑事役を演じても馴染む。
オールジャンル、どんな役でもこなしてしまえる器用さ。そうやって一つひとつ丁寧に出演作を重ねていくことで、幅広くも明確なブランドイメージをあざやかに打ち出している。
わかりやすいギャップが魅力
明確なブランドイメージ
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