連ドラ「この声をきみに」A.B.C-Z戸塚祥太がトランスジェンダー役に挑戦!
<ジャニヲタ歴20年・みきーるのJ-ウォッチ>
「この声をきみに」(毎週金曜22時~ NHK系)にご出演中の戸塚祥太さん(A.B.C-Z)が素敵です!
「この声~」は、妻に三行半(みくだりはん)をつきつけられた偏屈な男(竹野内豊さん)が、美しい朗読教室の講師(麻生久美子さん)に導かれ、自分の言葉で気持ちを伝える大切さに目覚めていく物語です。戸塚さんは、朗読教室に通うメンバーのひとり・河合雄一役を演じています。
“河合くん”は、ピンクのセーターやカーディガンなど、どこか女性的なファッションを好み、手作りのお菓子を差し入れたりと、柔らかな雰囲気をまとった男の子。
くしくもピンクは戸塚さんのメンバーカラーだし、その着こなしは、まんま女性が採り入れても好感をもたれるものになっています。
また、公式サイトの人物紹介には「実家のコンビニでバイト生活。繊細な性格の持ち主で、幼少のころから、女の子みたいとからかわれていた」とあります。
この伏線にあったとおり、第6話で河合くんは「みんなうすうす気づいていたかもしれないけど、自分はトランスジェンダーである」と打ち明けます。だから、男たちと群れるより朗読教室の女性たちといたほうが心地よい、とも。
戸塚さんは公式サイトのインタビューで「話すときに少しだけ語尾を上げて柔らかな感じにしてみたり、一方では低いトーンで男っぽく話してみたり、全体としては中性的な印象になればいいのかという計算はありました」と、役作りについて語っておられます。
これに加え、戸塚さんだけがもつ“未完の笑顔”が、河合くんの潔さや諦観に説得力を与えているのです。
戸塚祥太さんは美しい。その笑顔も陽だまりのように美しいのですが、満面の笑みにも1%だけ“哀切”を孕(はら)んでおり、この未完が役者としてものすごい力になっていることが見てとれます。
国宝・興福寺の阿修羅像は、合掌するその御手にほんの少し隙間があります。両の手の平が完全には合わさっておらず、いわばそれは未完の合掌。戸塚さんの未完の笑顔も、この宇宙的な美に通じます。
その未完は気のせいなのか、たしかめたくてまた見たくなる。できれば次は、ぜひ主演で。
「この声を~」はまもなく最終回を迎えますが、最後までギンギンに目をこらして、戸塚さんを見つめたいと思います。
<TEXT/みきーる ILLUSTRATION/二平瑞樹>
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【みきーる】
著書に『ジャニ活を100倍楽しむ本!』『「戦力外女子」の生きる道』他。Twitterアカウント:@mikiru。公式ブログ『ジャニヲタ刑事!』

トランスジェンダー役を演じるため、話し方など役作り
未完の笑顔が光る、「この声をきみに」の戸塚祥太

みきーる
ジャニヲタ・エバンジェリスト。メンタルケアカウンセラーⓇ。女子マインド学研究家。応援歴20年超のジャニーズファン。女心を知って楽しく生きるためのライフハック“女子マインド学”を提唱。著書に『ジャニ活を100倍楽しむ本!』(青春出版社)『「戦力外女子」の生きる道』他。Twitterアカウント:@mikiru、公式ブログ:『ジャニヲタ刑事!』