ドラマ『海月姫』は“オタク女子”たちのハジケっぷりが凄い!
芳根京子主演、東村アキコ原作のドラマ『海月姫』(くらげひめ、フジテレビ系、月曜夜9時)。初回(1月15日放映)の視聴率は8.6%と、まずまずの滑り出しです。
ストーリーの大筋は、一人のクラゲオタク女子・月海(つきみ、芳根京子)が、女装男子・鯉淵蔵之介(瀬戸康史)との出会いを通じて自分に自信を持ち成長していく、というもの。ちなみに’14年に公開された映画版では、「のん」こと能年玲奈が月海を演じていました。
今回のドラマ版でまず特筆すべきは、ヒロインを演じる芳根京子のコメディエンヌぶりです。
第1話では月海がサムライファイター・越中詩郎(プロレスラー)ばりのヒップアタックを蔵之介にかましたり、映画『リング』の貞子のごとく這いつくばって白目をむいたりと、これまでの清純なイメージをくつがえすハジケ具合。
今後も劇中でそのほかのプロレス技やモノマネに挑戦してもらいたいです。
そんな月海に負けず劣らずハジケているのが、彼女と共同生活を営む「尼~ず」と呼ばれるオタク集団。
三国志オタク・まやや(内田理央)、鉄道オタク・ばんばさん(松井玲奈)、枯れ専・ジジ様(木南晴夏)、和物オタク・千絵子(富山えり子)と精鋭ぞろいです。
また、第1話には、月海がカメラに向かって「私もNHKさんにはお世話になりました」と言うセリフが。言うまでもなく芳根は’16年から’17年にかけて放送されたNHK朝の連続テレビ小説『べっぴんさん』のヒロインを務めていました。
こういった遊び心もドラマオタク心をくすぐります。
物語はこの先、月海と蔵之介と彼の弟・修(工藤阿須加)との三角関係の行方を軸に展開していくと思われます。そして、やがて訪れる天水館のピンチに「尼~ず」の面々がどう力を合わせ立ち向かっていくのか見ものです。
女優たちのハジケっぷりがすごい
中でも、内田理央と松井玲奈のツートップは出色の出来で、髪の毛に隠れて顔が見えないのをいいことに、非常に振り切った演技を披露しています。また、彼女たちが暮らすアパート・天水館の土地を手に入れようとする枕営業が武器の肉食系デベロッパー・翔子を演じる泉里香のビッチぶりもなかなかのハマりようです。 正味2時間ほどですべてを一気に見せなければいけない映画と違って、ドラマでは個々のキャラをもう少し丁寧に描き、演じることが可能です。初回を観る限り「尼~ず」の面々の芝居には、それぞれの個性が際立ち、引き立つ相乗効果が生まれつつあるように思えました。
ぜひ2話以降は主役回を設けるなどして深掘りしていただきたいところでもあります。
原作や映画版にとらわれない自由なアイデアに期待!
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