顔のたるみを引き上げたい!メスを使わない施術を高須院長に聞いた
1月25日、昨年亡くなった野村沙知代さんのお別れの会が開かれます。発起人のひとりである高須クリニックの高須克弥院長は、昨年末に追悼のためにサッチー出演のCMをバンバン流していましたね。
CMでは70代とは思えないサッチーの若さに驚いた人も多いはず。あれは、皮下に糸を埋め込んで「たるみ」を引っ張り上げる「フェイスリフト」の一種、「イタリアンリフト」のたまものだそうです。
でも、顔に糸を入れるなんてなんだか怖そう…。
実際、特殊な糸を使ったフェイスリフトを受けた男女75人が、強い痛みが残ったなどとして、某美容外科チェーンを集団提訴したことがあります(2014年)。つい最近の2017年12月6日、和解が成立して、和解金の支払いや再発防止条項を盛り込むことで合意したと報じられました。
そこで今回は、たるみを改善するというフェイスリフト技術について高須克弥院長に聞きました。教えて、かっちゃん!

――例の某美容外科の訴訟について、どんな感想を持ちましたか?
高須「報道を見ると、『医師が無理に勧めた』とか『十分な説明がなかった』とか美容整形外科医としてありえないことばかり。技術以前の問題ですよ。
フェイスリフトの中でも、顔の皮下組織に特殊な糸を入れる方法の場合はメスも使わない。正しく施術すれば、痛みが残るといったことも考えにくいんです。フェイスリフトに使う糸は僕が開発して、特許は僕が持ってるの。使い方を聞いてくれたら教えてあげたのに…」
――高須院長自身も、フェイスリフトはやっている?
高須「もちろん。1998年にメスを使ったフルフェイスリフト手術を受けて、それ以降も、たるみの原因になる頬の脂肪(バッカファルト)の吸引や、金の糸をアゴの下に埋め込む施術などを自分で試してみたよ」
――「糸を埋め込む」って聞いただけで痛そうですが……?
高須「きちんと麻酔をしますから大丈夫ですよ。麻酔注射の前には麻酔クリームも塗るので、痛みはごくわずか。局部麻酔注射をした後、こめかみの髪の生え際部分から専用の針で、糸を入れていくんです。
糸を埋め込む施術はいろいろありますけど、たとえば『イタリアンリフト』の場合は、僕が独自に開発した『アプトス糸』を皮下に埋め込んで、皮膚を引き上げる。このアプトス糸は時間がたつと、周辺の細胞と融合して、8~10ヶ月で体内に完全に吸収されるんだけど、リフトアップ効果は半永久的に続くんですよ」
――技術は進んでるんですねえ。施術後は顔が腫(は)れたりしますか?
高須「手術直後は腫れます。でも腫れのほとんどは局所麻酔注射によるもの。4~6時間あれば、大部分の腫れは引きますよ。そこが、メスで皮膚を切開する手術との大きな違いだね」
――「メスを使わないなら……」と惹かれる人も多そうです。
高須「顔のたるみを改善・解消する美容医療というと、メスを使う大手術をいうイメージを持っている人が今だに多いんだけど、まるきり誤解ですよ。
ウルセラシステムやサーマクール、ポラリスのようにレーザーを照射する施術もあれば、ヒアルロン酸やアンチエイジング点滴のように、肌にいい成分を注射点滴する方法もある。それから、さっき説明したイタリアンリフトをはじめとする糸を使う施術もある。
これらは全部、“メスを使わないフェイスリフト”ですよ」
――選択肢はたくさんあるんですね。
高須「そうそう。ただし、肌がたるみすぎちゃうと、メスの力を借りたほうがいい場合も出てくるんだよね。思い切り皮膚を引っ張り上げたのはいいけど、今度はその皮が余る。すっきり切り取って縫い縮める必要が出てきちゃうの」
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“メスを使わない”フェイスリフトが適している年齢は20代半ばから~30代半ばだそう。それ以降は、年齢と共に「メスを使うフェイスリフト」のオススメ度が上がっていくそうです。
<TEXT/島影真奈美>
【高須克弥氏・プロフィール】
1945年生まれ、医学博士。高須クリニック院長で美容外科の第一人者。最新の美容技術を、自ら試して普及することでも有名。著書多数、近著は『ダーリンは70歳 高須帝国の逆襲』(Kindle版)、『ダーリンは71歳 高須帝国より愛をこめて』
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高須克弥
【プロフィール】
1945年生まれ、医学博士。高須クリニック院長で美容外科の第一人者。最新の美容技術を、自ら試して普及することでも有名。近著は『ダーリンは71歳 高須帝国より愛をこめて』、『炎上上等』、続編で最新刊の『大炎上』など