ヒロインが斧を振りかざしてバスに飛び乗る!『悪女/AKUJO』監督インタビュー
復讐に燃える殺し屋のヒロインが、敵のアジトに乗り込み、たったひとりで組織を壊滅させるド迫力の“疑似ワンシーン・ワンカット”のオープニングにはじまり、かつてないアクションシーンが続く『悪女/AKUJO』。
カンヌ国際映画祭も沸かせたアクションはもとより、ヒロインの哀しき愛のトライアングルにも注目の本作を監督した、チョン・ビョンギル監督(『殺人の告白』※藤原竜也主演『22年目の告白-私が殺人犯です-』のオリジナル)に話を聞きました。
――見たことのないアクションばかりで驚きの連続でした。ヒロインのスクヒを演じたキム・オクビンさんは、ほとんどのアクションをスタントなしでやられたそうですが、テコンドーの黒帯を持っているそうですね。
監督:キムさんを選んだ理由は、合気道やテコンドーが上手だからということではないんです。アクションができない女優さんが演じた場合も、すごくアクションができるかのように見せればいいだけのことなので。
もちろん身体能力が高いに越したことはありませんし、キムさんは身体を使うことが得意でしたが、彼女を起用した理由は、彼女の持つ顔の印象が、“悪女”に合うかどうかでした。そして彼女は、私が思っていた以上に、スクヒというヒロインが抱える、より細かい部分を演じてくれました。
――スタイリッシュアクションと謳われています。しかしヒロインが斧を持ってバスに飛び移って戦うなど、生々しさもあり、コワかっこよかったです。斧というアイテムも凄いです。
監督:あそこは車でバスを追撃して飛び移り、バスにぶら下がる。そうしたシーンがあるので、斧が必要かなと思いました。それに斧が持つ、ちょっと素朴でありつつも粗野な感じと、スクヒが相まったときのシナジー効果を狙いました。
――バスのシーンでは、走るバスの外に上半身を投げ出して戦いを続ける箇所もありました。あれもキムさん本人がやっているのですか?
監督:そうです。実際に走っているバスで、彼女自身がスタントしています。安全のためのワイヤーもつけていますし、万全の準備もしていますから、大丈夫ですよ。私は難しいシーンであっても、「ここは難しすぎるから、こういう動きはカットしよう」ではなく、どのようにすれば撮れるだろうかと考えます。
難しいシーンでも、どうすれば撮れるのかを考える
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『悪女/AKUJO』は2月10日より角川シネマ新宿ほかにて公開
配給:KADOKAWA