秋ドラマ名作ベスト3。戸田恵梨香&ムロツヨシが感動を呼びまくった『大恋愛』は何位?
今年もいよいよあとわずかとなった12月。2018年10月クールのドラマがすべて最終回を迎えました。
そこで、今クールも僭越ながら、わたくしドラマウォッチャーの中村裕一が秋ドラマベスト3を選ばせていただきました。みなさんの評価はいかがでしょうか
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まず第3位は『獣になれない私たち』(日本テレビ系)。主演・新垣結衣、脚本・野木亜紀子の『逃げるは恥だが役に立つ』コンビによるオリジナルストーリーということで、前評判が非常に高かった作品ですが、平均視聴率は8.7%と、いわゆる視聴率的なヒットにはつながりませんでした。
しかしながら、晶(新垣結衣)と恒星(松田龍平)の、互いに相手を思いやる機微や絶妙な距離感にはとてもリアリティがあったと思います。
最終回、とうとう会社を辞めた晶と、長年手を染めていた不正会計と縁を切った恒星。いわば“獣”になって自由を得た2人ですが、当然、その先にはいばらの道が待っているわけで、決してありきたりのハッピーエンドではありません。
2位は『今日から俺は!!』(日本テレビ系)。
’80年代から’90年代にかけて少年誌で連載された西森博之の人気ヤンキー漫画をドラマ化したこの作品。千葉県の高校を舞台に、三橋貴志(賀来賢人)と伊藤真司(伊藤健太郎)の二人のツッパリが繰り広げる騒動を描いていきます。
「ツッパリ」「ヤンキー」がもはや死語となってしまった今、その世界観が視聴者にどこまで受け入れられるか未知数でしたが、回を追うごとに視聴率も上昇。最終回では番組最高の12.6%を記録し、続編や映画化の声も飛び出すヒットになりました。
当時の空気感を損なわず、ひたすら明るく、わかりやすく、でもどこか切ない青春賛歌に仕上がった結果、幅広い世代からの支持につながったのでしょう。でもそれは決して中身がないという意味ではありません。
主人公コンビがどんなに痛めつけられても目の前に立ちふさがる敵に挑み続ける姿勢は最後までブレておらず、自分の生き方を貫くことの大切さが伝わってきました。
第3位 見終わった後も深く考えさせる『獣になれない私たち』
ラストシーンで二人が見上げた鐘の音が聞こえた人、また聞こえなかった人は、どうしてそう思ったのか、それぞれその理由を自分に問いかけてみると面白いでしょう。祝福の音色か、それとも苦難の幕開けか。その意味ではリトマス試験紙のような、示唆に富んだ結末だったと言えます。 好きなことを好きなときに好きなだけする、そんな“獣”になれたら人間どんなに楽でしょう。仕事や人間関係などの“檻”に囲まれた現代社会に生きる私たちの悲哀と、それでも前を向いて生きていくことへのささやかなエールが込められた心に残る作品です。
第2位 ひたすら能天気、でもどこか切ない青春賛歌『今日から俺は!!』
このドラマの魅力は、なによりスタッフ・キャストが楽しんでいる雰囲気が伝わってくるところ。第6話ではムロツヨシ演じる椋木先生による『3年B組金八先生』パート2のオープニングのパロディまで飛び出す始末(できれば曲は『人として』が聴きたかった!)。 そして小栗旬をはじめ、柳楽優弥、山田孝之、堤真一、山崎賢人など、ベテランから若手まで今の日本の映画・ドラマを支える俳優たちがチョイ役にも関わらずゲスト出演し華を添えました。 個人的には主題歌『男の勲章』はもちろん(最終回では教師や保護者も出演するスペシャルバージョンを披露)、要所要所で流れるジャーニーの『セパレート・ウェイズ』風BGMがツボでした。
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