「持ち家VS賃貸」…結局どっちがお得なの?/お金の人生相談
<お金の人生相談/ファイナンシャルプランナー・花輪陽子>
●結局のところ、どっちがお得なの?(32歳・女性・会社員)
夫婦+子ども2人の4人家族で都内の2LDKに住んでいます。そろそろ手狭になってきたので3LDK以上の物件に引っ越しを考えており、「マンションを買う」という選択肢も浮かんできました。夫婦ともに共働きで都内に勤めており、場所は都心、もしくは郊外でも都心へのアクセスがいいところがいいなとは考えています。
ただ、ここでぶつかるのが、雑誌の住まい特集などで何度も議論されているテーマ「賃貸と持ち家とどっちがお得か」という問題についてです。それほど変わらないとも聞きますが、実際のところどうなのでしょう。また、買う時期や狙い目の物件タイプなども教えていただけると嬉しいです。
「持ち家 VS 賃貸」というのは永遠のテーマで、私がファイナンシャル・プランナーとして独立をしてから約10年、ずっと議論されてきているテーマの一つです。
結論から言うと明確な答えはなく、ライフスタイルやマネー事情によって、どちらが向いているのか、数字で計算をして冷静に判断をするのがよいと思います。
たとえば賃貸の大きなメリットとしては、身軽でライフスタイルの変化に対応しやすいことが挙げられます。
子供が独立をすると3LDKの部屋は必要ありません。子供部屋が必要な期間はせいぜい15年程度でしょう。その期間だけ広い部屋を借りるのも無駄がありません。
また、天災が起きるリスク、日本の社会問題(超高齢化社会)があります。持ち家の場合、こうしたリスクから自分だけでなく、マイホームも守っていく必要が出てきます。戦略的に考えていかないと、マイホームが重荷になってしまう可能性もあるのです。
相続の際に、マイホームを持っていない「家なき子」だからこそできる節税もあります。持ち家のない相続人が「小規模宅地等の特例」を使い、亡くなった親などの住んでいた家の土地を相続すると、土地の評価額を8割も下げることができるのです。配偶者と同居親族に法定相続人がいない場合に限り、離れて暮らす家なき子が相続をしても特例が認められます。
将来的に実家を相続する予定があるといった人が賃貸に住み続けるのは、実はメリットが大きいのです。
持ち家のメリットとしては、「資産になる」「社会的なステータスになる」「賃貸住宅よりもグレードの高い物件に住むことができる」などが挙げられます。兄弟が多くて実家を相続できないという人などは、いざとなった時に自分の住まいを確保しておくと、老後まで住むところがあって安心かもしれません。
また、不動産は相続をする時に預貯金などと比べると評価額を下げることができるため、相続対策として不動産を購入する人もいます(家なき子の特例が使えない場合など)。
相談:32歳、これからを考えたとき、家は借りるべき?買うべき?
まずは、自分のライフスタイルとマネー事情を振り返って

実は、マイホームを持っていないからこその利点も
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