まるでドラマ『偽装不倫』。独身女性が“人妻”のふりして恋愛する謎
ドラマ『偽装不倫』(日テレ系)が話題になっている。
婚活中のアラサー女性が旅先でステキな男性に出会い、「既婚」だとウソをついて一夜の恋をするところからドラマは始まった。既婚なのに独身だと偽るならありそうな話だが、実際、女性が「既婚」を装って恋をするケースはあるのだろうか。
実際、既婚だと言ってゆきずりの恋を楽しんだことがあるというのは、ミチコさん(35歳)だ。結婚願望がほとんどない彼女は、バツイチである姉が結婚しているときにしていた指輪をもらい、バッグの隅にいつも入れていた。
「ある日、女友だちと渋いバーに飲みに行ったんですが、彼女、子どもが急に熱を出したと預けてきたお母さんから連絡があり、帰ってしまったんです。私はもう少し飲んでいこうと思い、ふと周りを見るとカウンターにはひとりで来ているいい男が……。
でも彼は結婚指輪をしていた。だから私もあわてて指輪をしました」
独身だからと舐められたくなかった、お互いに既婚という対等な立場なら対等な関係をもてると思ったからだそう。
「それにいい年して独身だと、男に飢えていると思われるのではないか。そんな気持ちがあったのも確かです」
目の前にカクテルが置かれた。目を上げるとバーテンダーが、「あちらのお客様からです」と目で示した。ミチコさんが“いい男”だと思った人だった。
それをきっかけに彼が隣にやってきた。
「もう徹底的にこの時間を楽しもうと思いました。仕事も、私はメーカーの営業なんですが、CAだということにして。
姉がCAだったので仕事内容や裏事情もよく知っているんです。彼は私の話を楽しそうに聞いてくれました。彼は自分は弁護士だと言っていたけど、私は信用しないまま『そうなんですか、すごい』なんて言って」
話だけで帰るつもりだった。ところが店を出ると彼は、「帰したくない」と言い出した。ミチコさんも同じ気持ちだった。
「そのままホテルへ行ってしまいました。そんな軽率なことをしたのは初めてだったけど、人生でこんなことがあってもいいかなと。すばらしい夜でした」
家庭の話はしなかったが、彼は彼女の指輪を指でなぞって「悔しいな」と言った。
「ちょっといい気持ちでした。彼が見た目も中身もいい男だったので、本気で好きになりそうで怖かった。だから明け方、こっそりホテルを抜け出して帰宅しました」
あのままお互いの素性を知ったらどうなっただろうと、半年たった今もそう思うことがある。あのバーに行けば何かわかるかもしれない。だが、彼女は「既婚者としての」一夜の恋をそのまま心に秘めておくつもりだ。
常に結婚指輪をはめているというのは、ヨシノさん(38歳)。彼女自身は恋人がいたりいなかったりだが、どうしても結婚したいというほどの願望はないという。
「この年になると、どうして結婚しないのとか周りがうるさいんですよ(笑)。だから私は、ここ1年くらい、ずっと結婚指輪風の指輪をしています。
社内の人たちはそれが私の防衛本能みたいなものだと知っているけど、初対面の人には意外な効果があるんです」

(画像:日本テレビ『偽装不倫』公式サイトより)
一夜の恋を楽しみたいとき
彼は彼女の指輪を指でなぞって「悔しいな」


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