合コンで意中の男性を取られた女性の大胆行動「運転手さん、前のタクシー追いかけて!」
合コンでお目当ての男性がいる時、あなたならどうしますか?
団体で行動している中で、一人の男性と抜け出すのは至難の業。でも、一歩遅れたら、彼は他の誰かと一緒に夜暗に消えていってしまうかもしれません。
合コンでの駆け引きは、サシでのデートよりも重要で難しいものです。空気を読まない行動は、意中の男性も友人も、あなたから遠ざけてしまうようで…。
松本ちゆきさん(仮名・27歳)は看護師。ハーフっぽい顔立ちが美しく、初対面でも好印象を持たれることが多いといいます。
「夜勤もある看護職なのでなかなか出会いの場に行くことも難しく、友人に頼んで合コンをしてもらうことが多いんです。その日も地元の友人を通じて合コンをすることになり、男性側は都内大学のOB、女性側は私の地元の友人の輪の中から募りましたが、人数が足らず、友達の友達まで参加してもらうことになりました」
その合コンで知り合ったのが、今回松本さんが出会ったトンデモ女性、川田ゆきのさん(仮名)です。川田さんは松本さんの友人の専門学校時代の友達で、都内の区役所で働く公務員。
「川田さんは細くて小動物っぽい可愛らしさと同時に、どこか本気で笑っていないような冷たさがある子でした。初対面だった川田さんとは最初は仲良く話していました。
ですが、合コンが進むにつれて、いつの間にか私はある男性と深く話をしていました。事件のきっかけはそこだったと思います。途中から、川田さんが半ば無理やり、私たちの話に入ってくるようになったんです」
これが俗に言う「合コンでのオトコカブり」。松本さんと川田さんは狙いのオトコがカブってしまったのです。合コンはここからさらにバチバチになっていきます。

そこから会場をカラオケに移し、順当に意中の男性と仲良くなっていった松本さん。
「カラオケを出ると、彼にもう一軒二人だけで行こうよ、と言われて嬉しかったです。カラオケの最中も川田さんの攻撃は続きましたが……会話中に急にマイクを渡されたりとか(笑)。
とにもかくにも、私たちはタクシーに乗り込み、彼の家に向かうことになりました。異変に気づいたのは彼の家の近所でタクシーを降りた時です。なんと、そこにはもう一台タクシーが止まっていて、川田さんの姿があったのです。
なんで?と心の底から思いましたが、結局追い返すこともできず、彼の家で3人でお泊りする謎展開に」
あとから友人に話を聞いたところ、やはり推しがカブっていた川田さんは、松本さんたちがタクシーに二人で乗り込むのを見て、「そうはさせない……!タクシー、前の車追いかけて!」と言って自分もタクシーに乗り込み、追いかけてきたんだとか。

「そもそも合コン中も、わかりやすいくらいに私と彼の邪魔をしていましたし、タクシー追尾にいたっては、イマドキそんな人いるんだ、と彼も私もドン引き。
他の参加者もみんなちょっと川田さんに引いてしまったようで、その後私が川田さんと会うことは、ふだんのプライベートはもちろん、合コンでも2度とありませんでした」
合コンではたとえ自軍の女性と推しがカブったとしても、そのバチバチを男性に悟らせてはいけない、というのが鉄則です。これを崩すような人は、全体を乱す人として同性からは干され、異性からは性悪女として語り継がれるというのに……。
合コンはチーム戦。あまりに目立つ行動はご法度です。もし友達と推しがカブったとしても、その場では先手を取った方に譲り、後々アプローチをかけるのが安全策だといえましょう。
―恋愛バトルの顛末―
<文/ミクニシオリ イラスト/やましたともこ>
合コンで友人と意中のオトコがカブってバチバチ……

先に帰った二人を…「タクシー!前の車追って!」
