最後に、担当編集者である白川氏が思う、『裸一貫! つづ井さん』の魅力について語ってもらいました。
「つづ井さんのエッセイ漫画は、オタク界の『SEX AND THE CITY(SATC)』だと言われることがあるのですが、私もこの例えにはピンとくるところがあるんです。SATCは、女性の友情や恋愛を描いたアメリカのドラマですが、登場する4人の女性は、“恋愛”や“結婚”という『ジャンル』にハマっている状態だと思うんです。つづ井さんたちも“アニメ”や“俳優”という『ジャンル』にハマっているのかなと。
SATCと『ジャンル』は違っても、仲間たちと仲が良いところや友情の深さは共通しています。つづ井さんの作品を非オタの方が読んでも“友達といる時間は楽しい”というハッピーさは誰もが共感できると思います。
つづ井さんたちは、誰もがお互いを否定しません。誕生日に相手を喜ばせようとサプライズしたり、お互いを思い合って遊んでいます。そんな普遍的な部分は万人に受け入れられるはず。ただ、つづ井さんたちはちょっと突き抜けているヤバさもありますが(笑)、仲良きことは美しきことですよね」

つづ井さんのコミックのタイトルには、「お一人様」や「アラサー」などという言葉は使われていません。潔く、「裸一貫!」と一言。このタイトルも多くの女性の希望につながったのではないでしょうか。
世間からやたらと結婚、出産、将来などについて「大丈夫なの?」と言われがちで、自分自身もその呪縛からなかなか逃れられない女性たち。
だけど、他人に余計な心配をされてもつづ井さんのように「特になーんも思ってません ピッピロピ~~~」と、自分のやりたいように、好きなように生きていけばいいのです。
<文/満知缶子>
⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】満知缶子
ミーハーなライター。主に芸能ネタ、ときどき恋愛エピソードも。