不倫バレバレでも妻に離婚を切り出せない…ゲス夫たちの責任逃れ
【私の国際離婚日記 vol.3】
単身渡米し、アメリカ人の夫と約10年の結婚生活ののち、昨年離婚した左近サクラさんの体験談です。(以下、左近さんの寄稿)
みなさんはもうNetflixの『マリッジ・ストーリー』をご覧になったでしょうか?
1月5日に発表された第77回ゴールデングローブ賞で最多6部門のノミネートを果たした話題作ですが、「結婚(マリッジ)」という題名とは裏腹にアメリカ人夫婦の「離婚(ディボース)」を描く映画です。
アメリカの離婚事情をリアリティを持って描く作品なのですが、経験者の私は、ヒロインに離婚通知書(実際には裁判所への召喚状)を突きつけられた夫が、“分かっているくせにとぼけた態度”を取ることや“自分からは何のアクションも取ろうとしないその態度”に、終始イライラしっぱなし。
ある意味、他の人より何倍も作品を楽しんでしまったことになろうかと思います。
私が結婚していたアメリカ人の元夫も、“分かっているくせにとぼけた態度” を取ることに関しては、もしかしたらアダム・ドライバー(『マリッジ・ストーリー』の夫役)の演技力に勝てるのでは?と思うほどに上手い男でした。
逆に、証拠隠滅については超ズボラな困ったヤツで、不倫相手と飲みに行ったレシートがキッチンのゴミ箱の中に普通に捨ててあったり、出張で行ったはずの南部の街ではなく、不倫相手が引っ越した西海岸のワイナリーで有名な街へ行ってきた飛行機のチケットが棚の後ろに落ちていたり。自称カメラマンであるらしい相手の女性のセルフポートレート写真が、読みかけの本の間に挟んであったり、枚挙にいとまがないわけです。
こちらもすぐには自分の夫が不倫しているとは認めたくなかったため、証拠はすべて後々のためにスマホで写真に収めることはしっかりしつつも、数年間は何も触れずに「出張お疲れ様」と言って、彼が相手の女性のもとから帰ってくるのを笑顔で迎えていました。
しかしその後、私が何も言わないのをいいことに、会社からリストラされたことを告げずに家からトンズラした夫は、大胆にもその不倫相手のもとで暮らすようになりました。
正直言ってここまで来ると、彼がなぜ離婚を切り出さないのか不思議でたまりませんでしたね。
だって、私の倍以上の収入があり、生まれも育ちもアメリカの彼には、私のように離婚したらアラフォーで日本へ帰り人生の再スタートを切らなければならない苦労などあろうはずがないですから。
元夫はそれでもなお離婚を切り出せず、半年以上は“とぼけた演技”をし続けました。
相手の女性との同居期間中も出張が長引いているように見せかけて、「今日も疲れたよ」「仕事帰りにバーで一杯飲んでるとこ」「アイシテルぜ!」などと私に毎日アリバイメールを送ってよこしていましたが……。何もバレていないと思って送ってきていたのなら、なんとオメデタイ男でしょうか!
ところで、なぜ彼がリストラされ、不倫相手のところで暮らしているのが私に分かったのか気になりますよね?
まず第1に、それまで隔週で自宅に届けられていた勤め先からの給料明細がパッタリと来なくなったこと(アメリカの給与は隔週払いのところが多いのです)。
第2に、アメリカの職業安定所のようなところから、突如として彼宛てに山のように封書が届き始めたこと。これらをつなぎ合わせれば、彼がリストラかクビになったのだろうということは、簡単に想像がつきました。
さらにマヌケな元夫は、その間のお金の使いみちが放置状態の妻にバレないようにと、新しい銀行口座を作ったようなのですが、登録住所を我が家にした上、ペーパーレス設定にしなかったことでカードの利用明細書が私のもとに届く始末!
そんなこんなで、彼が雲隠れしている期間にどこでどう暮らしているのか、妻の私には丸分かりだったのです。本当にどうしようもなく証拠隠滅のズボラな男でした。
とぼけた演技はハリウッドスター級、証拠隠しはどヘタ

不倫が妻にバレバレでも、毎日アリバイメールを送るオメデタさ!

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