――インフルエンザに罹ると一定期間登校や出勤を禁止されますが、なぜ治った後も休まなければならないのでしょうか?
大谷「インフルエンザウィルスは、熱が下がってからも数日間は体内に残っていて、感染する可能性が高いためです。
学生の場合なら『発熱の翌日から5日間、かつ、解熱から2日間は登校禁止』と学校予防法で決められていて、社会人の場合もそれに準じています。

発熱の翌日から5日間、かつ、解熱から2日間は、お仕事も休みましょう
――1日で熱が下がった場合、マスクを着けるなど対策をとれば出勤を早めても大丈夫ですか?
大谷「仕事の心配もわかりますが、定められた期間はきちんとお休みしてください。周りにうつしてしまうなど、迷惑をかけてしまいますから。当院でも、『一日で熱が下がった!』などと外出禁止期間中に報告に来られる患者さんが適当な頻度でいらっしゃるので、その度に『
頼むから帰ってください』とお願いしています(笑)」
――インフルエンザは何月ごろまで注意が必要ですか?
大谷「
実は、インフルエンザの感染者は1年中いるんです。そのため、常に気をつけておくのがいちばん。
もっとも流行する11月~4月は、予防接種を受けるなど、プラスアルファの予防意識を持つことも大切です」
――一年中感染のリスクがあるのに、予防接種の時期が決まっているのはなぜですか?
大谷「予防接種の目的は、集団感染を防ぐことです。みんなが受ければ発症率を下げることができるので、流行するシーズンの直前接種が推奨されているんです」
――予防接種を打つ時期は、いつごろが最適なのでしょうか?
大谷「インフルエンザワクチンが定着するのは接種から約2週間、効果は5ヶ月ほど持続すると言われています。そのため、
11月の初旬から中旬あたりに受ければ、ピークから流行が落ち着くまでの時期をカバーできます」
<文/千葉こころ>
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自由とビールとMr.Childrenをこよなく愛するアラフィフライター&編集者。
人生後半戦も夢だけは大きく徒然滑走中