軟骨ピアスがはずれない!航空会社の採用面接での半泣きエピソード
こんにちは。ライターの高木沙織です。
かつてグラホ(グランドホステスの略、現在のグランドスタッフ)として6年間勤務してきた私。みなさんも空港で接する、航空会社の地上職員です。
前回はボスの女先輩に誘われた合コンを、内心嫌だなと思いつつ参加することになってしまったお話でした。当日まで連絡がこないのをいいことにすっかり忘れてしまい、結局ドタキャンしてしまったのですが、その翌日出社したら……さて、何があったかは20話を読んでみてくだいね。
【第20話】⇒女社会の航空業界。ボス先輩の合コンをドタキャンしたら、翌日あらぬ噂が…
今回の21話は、採用面接のときに起きたトラブルの話をします。
航空会社の職員は黒髪のお団子をスプレーでカチッと固めたヘアスタイル、万人受けする清楚なメイクに清潔感が必須?
私も入社当時はまさにそのスタイルでしたが、数ヶ月後には……。いや、実はその前の採用面接からやらかしてしまったことがあるのです。
隠すに隠せず、ついにはそのまま臨んでしまったこととは?
私が採用面接に臨んだのはカナダへの語学留学から帰国してすぐのことでした。留学中は、「今しかできない!」、とばかりに髪を明るく染め、メイクは自己流、服装はTシャツにデニム。暑い日はヘソ出しなんかもしたりして。日焼けもガンガンしていました。
「航空会社に就職希望です」、と言っても信じてもらえないようないでたちでしょう? 日中は学校、夜はバーやパブでお酒を楽しむ……、「お酒の場も飲み過ぎなければ生きた英語を学べるチャンスだから」、なんて一丁前に言っていたな。海外生活に浮かれて、完全に楽しみ過ぎていました。
そしてある日、語学学校で出会った友人とこんな計画を。
「耳の軟骨にピアスを開けよう!」
今思えば20代前半の私は怖いもの知らずでした。だって、ダウンタウンにあるよく分からないタトゥーショップで女2人、軟骨にピアスを開けようだなんてちょっと怖いじゃないですか。
だけど、当時は怖さよりも髪を耳にかけたときにチラッと覗く軟骨ピアスへの憧れが圧倒的に勝利。クラスメイトのブラジル人留学生がまさにそれだったんです。かわいいしセクシーだな、って。
施術のトップバッターは私です。タトゥーの写真とどう使うのかわからない器具がズラリと並ぶ何かの海外ドラマで見たことがあるような怪しい診察室で、「ここにピアスを開けて」、と。
「深呼吸して」、と言われたかと思うとすぐに施術してくれるお兄さんの手に力が。メリメリッという何かが割けるような音と激痛に襲われます。
軟骨は骨ですからね、耳たぶのピアスよりも何倍も痛い! 耳全体に響くような痛みがしばらく続きましたが、毎日しっかり消毒もしていたしトラブルがなかったのが救いです。
いろいろな意味でよくやったな、本当に。
悲劇はこのあと起こります(先に言っておきますが、自業自得です)。
航空会社の採用面接のために帰国し、髪を黒く染めあらかじめ用意していたスーツを着てみると、なかなかグラホのそれらしいではないですか。
って、軟骨ピアスはダメか。
ピアスを開けてからというもの大きなトラブルはありませんでしたが、触れると痛むため一度も外したことがなかったのです。しかも、このときの私はピアスを簡単に外せるものだと思っていたから取りかかったのは採用面接の前日。
それはよくあるフープ型のピアスで縁についている小さな丸いキャッチャーを取ればCの形になり、耳から外せると聞いていました。……が、「キャッチャー、硬っ!」、取れる気配どころか全く動かないし。
力を入れてグリグリ、回したり引っ張ったりしたせいでピアスホールからは流血しています。
留学先ではっちゃける
ノリと勢いで軟骨にピアスを開ける

あれっ、ピアスが外れない!
