『キャッツ』で“猫になりきる学校”に通ったーー主演女優と監督に聞く
世界累計観客動員数8,100万人、1981年の英初演以来今なお世界中で愛されるミュージカルの金字塔を実写映画化した『キャッツ』が公開中です。
この映画版『キャッツ』は、『レ・ミゼラブル』のトム・フーパー監督やミュージカル界の巨匠アンドリュー・ロイド=ウェバーなどが名を連ね、映画、音楽、ダンスなど、多彩なジャンルから選抜した珠玉のキャスト陣が、個性豊かな猫たちを演じていることでも話題の一作です。
このほど日本公開に先立ち、主人公ヴィクトリアを演じた英国ロイヤル・バレエ団プリンシパルダンサーのフランチェスカ・ヘイワード、トム・フーパー監督が来日。この『キャッツ』にまつわるエピソードの数々を聞きました。
――演技が出来て歌が歌えてダンスも出来るというキャストを探すことは、相当な苦労だったのではないでしょうか?
トム・フーパー:『レ・ミゼラブル』(12)の時に、歌と演技の両方が素晴らしいキャストを探す苦労を経験しているけれど、今回はそれにダンスも加わるから本当に大変でした。猫の動きを習得するために、キャストにはリハーサルから長い時間“キャットスクール”に通ってもらって。猫の専門家の指導のもと、猫の動きをキャストたちは実践しながら習得していきました。フランチェスカはキャットスクール一番の優等生です。
フランチェスカ:(照れながら)ダンスに関しては少しだけ皆さんより経験があったかもしれません。
トム・フーパー:(フランチェスカは)飼い猫のように甘やかされていないので謙虚なんですよ(笑)。
――一方、歌に関してはフランチェスカさんにとって大きなチャレンジでしたね。
フランチェスカ:そうですね、ただでさえプロの歌手ではないわたしが、ジェニファー・ハドソンさんなど素晴らしい歌声の持ち主と一緒に映画で歌声を披露するなんて……という感じでした。(歌の)収録でも、モニターの後ろにはトム・フーパー監督、アンドリュー・ロイド=ウェバーさんとテイラー・スウィフトさんもいて、そんな状況で生歌を披露しなければいけなかったので、すごく緊張しました。でも、テイラーさんは仮歌を歌ったあと「うまく歌えたかしら?」って、わたしに聞いてくれて。とても貴重な経験になりました。
――すごいですね!何百万人の前で歌っているテイラーさんが、自分だけに歌うなど、なかなかない経験ですよね。
フランチェスカ:本当にそう思います。実際に完成した作品を観た時も、それぞれの猫たちの曲と歌声が素晴らしかったので感動しました。撮影では、さまざまなパフォーマンスと生伴奏をバックに撮っていましたし、人間を猫のサイズに置き換えてリアルに作られた美術セットだったので、完全に猫になりきる事が出来、それが映像にも表れていてうれしかったです。
トム・フーパー:キャッツを映画化する際にアンドリュー・ロイド=ウェバーの協力がなくてはあり得ないと思っていたし、二人(アンドリューとテイラー)の歌声を目の前で聴くことが出来たのは素晴らしい経験だったよ!

キャストには長い間“キャットスクール”に

テイラー・スウィフトの前での生歌披露に緊張……

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