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「モデルになれる」街中のスカウト話に乗ったら80万円の損…

 就職に失敗した、キャリアに行き詰まっている……そんな人生に思い悩む女性たちを狙う悪徳ビジネスが増えている。特に、切迫した状況にある貧困女子にキャリアアップの夢を見させて、数万円程度の金額を騙すケースが多いという。被害に遭った女性たちに話を聞いた。 悪徳ビジネス

就活に失敗し落ち込んでいるところに…

 分厚い就活の壁に挫折し、半ばうつ状態になったときに騙されたというのはRさん(23歳)だ。 「大学の最寄り駅で声をかけられて騙されました。相手は普通の大学生で、話し方はチャラいけど見た目は真面目な人でした。その頃、私は“お祈りメール”’(不採用通知の俗称)の連続で焦ってたときで、そこに『就活で困ってたら力になるよ』と言われて、ついつい話を聞くことになった」  勧められたのは、「100%、5カ月でTOEIC800点超え」という教材で5万円だった。 「テキストはなく、動画と音声の入ったDVDとPDFだけ。文句言ったら『英会話教室に通って、800点以上を目指すとなると50万~100万円ぐらいするだろ』って言われて。しかも、この教材はある大企業の研修に使われてる部外秘のものだから間違いないと説得されました」  Rさんが「騙された」と気づいたのは、同じ教材がネット上で2万円で売られているのを見た時。奨学生で学費を払い、親からの仕送りもないRさんにとって5万円は大金だった……。

芸能界にスカウトされたと思ったら…

 次に紹介するDさんは「悪徳スクール商法」の被害談だ。現在は風俗嬢のDさん(24歳)は3年前、都内の路上で「モデルになれる。芸能人になれる」と芸能事務所のスカウトマンから勧誘を受けた。イベントコンパニオンの仕事なども実際にもらったが、2年間所属した収支は80万円の赤字だ。 「当時はバー店員で月収は20万円くらいだったかな。まず面接を受けて、所属費用を5万円払うんです。それから、ボイトレとダンスのスクール費用は自分持ちで、仕事は月に4本ぐらい。イベコンとかアイドルのバックダンサーの時もあった。日当1万円で東京ガールズコレクションの会場の外でビラ配りもした」  Dさんは事務所から、露骨にこう言われたという。 『ここは事務所じゃなくて、学校だから。芸能デビューする資格を学ぶための学校に、仕事もらいながら通えるんだから感謝しろ。実際の芸能スクールなんか行ったってデビューできないんだから』 「他の仕事に転職することになり、事務所を辞めたら違約金で5万円も取られました。実はその後も同じような芸能事務所のキャッチにひっかかって、契約書に住所だけ書いたら、毎週『お金払えって』請求書が届くんです。どうすればいいんでしょう……」  一度ならず二度までも引っかかるのはどうかと思うが、心が弱っていると、なけなしの希望にすがりたくなるのが人の性。うまい話には常に用心する姿勢を忘れないでいたいものだ。 ― [貧困女子]をハメる資格ビジネスの闇【3】 ―
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