入学卒業式など式典に「ジレ」はアリ?ナシ? ママたちの論争をスタイリストはどう見るか
スタイリストの大日方理子です。3月中~下旬は、卒園式の帰りかな?と思う親子や、卒業式の帰りかな?と思う子供たちを見かけました。
今、Threads(SNS)を賑わせているのが「卒・入式に着物がダメって思ってる人いるんだ…流行りとはいえジレが式典に相応しいと思ってる人いるんだ…モヤモヤモヤ」という投稿。この投稿を見た人からは「ジレを買ってしまったけど卒園式にジレってダメなの?」「ジレを着ていくつもりだけど常識のない人だと思われる?」など心配する声が相次いでいます。
(「ジレ」GILETとはフランス語の「中衣」の意味。袖がなく前開きで、ベストやチョッキと呼ばれていたもの。日本では2018年あたりからジレという呼び名も広まりました)
冒頭の投稿をした人のコメントをさかのぼると、「卒・入式を終えてから数十年」で「ただの独り言でございます」とあり、現役で卒入学式に出席している人たちよりもひと回り上の世代であることがわかります。数十年前は卒入学式にジレはナシだったと思うので、とても常識的な方なのだと思います。
さらにこの論争に拍車をかけたのが、別の方が投稿した「コサージュは私もつけない方が良いかと…主役はお子様ですしね」でした。「ジレもコサージュもダメ?」「ここまで子供を育ててきた親だって主役」など様々な意見が飛び交っています。
ユニクロなどを運営するファーストリテーリンググループのPLST(プラステ)が、全国の保育園・幼稚園~高校生の子ともがいる20~59歳のママ500名を対象に実施したインターネット調査(調査日:2025年1月23日~24日)によると、
「セレモニー服はカジュアル化していると思う」77.0%、
「セレモニーの際にはジャケットを着用しなくてもいいと考えている」54.4%
という結果でした。半数以上の人たちが卒入学式にジャケットを着用しなくてもよいと思っていることがわかります。
一方で、約9割の人がどこまでカジュアルにしていいかわからないと回答しています。記念すべき日にマナー違反になりたくない気持ちがあることもわかります。