インフルエンサー仕事で生活する女性が、転職を決意した“友人の言葉”
YouTuberやインスタグラマーなど、ネットで活動するインフルエンサーたちは、今や憧れの的な職業のひとつです。
彼らの仕事ははたから見ると自由で、楽しそうに見えます。しかし、どんな仕事も実際になってみないと分からない苦労はあるものです。
今回はあるインスタグラマーが、自分の仕事の大変さに、思わぬタイミングで気づいてしまった時のお話。
沢田今日子さん(仮名・28歳)は、さまざまなSNSで総計3万人ほどのフォロワーを持つインフルエンサーとして活動しています。中でもインスタグラムが主な収入源となっていて、一人でも生きていけるくらいには稼いでいたのだそう。
「大学生までは、生まれでもある埼玉で過ごしました。勉強を頑張っているタイプでもなかったので、大学は地元のFラン大ですね。なんとなく遊びながら過ごして、卒業後は保育士として2年ほど働きました。でも、女職場で独特の空気感があって、朝が早くて激務の割に安月給…そんな保育の仕事に疲れて2年で退職しました」
その後はというと?
「もともとおしゃれが好きだったので、その後はアパレルでバイトしながら、なんとなく日々のコーディネートを、インスタやコーデ系アプリに投稿していました。長く続けていたらフォロワーが多くなってきて、いつの間にかSNSで仕事を取れるようになったんです。
今はアパレルも退職して、インスタグラムの仕事とちょっとした副業で生計を立てています。新商品やイベントのPRや、セレクトショップのバイヤーをしたりしています。インスタグラマーになってからはモテるようにもなり、今は合コンで知り合った、高学歴で大企業勤めの彼氏と同棲しています」
インスタグラマーの仕事は在宅でできるものも多く、出社のストレスや勤務時間に縛られることもありません。好きな仕事で独立し、お金を稼げているということに憧れを持つ人も多いでしょう。
しかし、現在沢田さんは転職活動に取り組んでいるそうです。3万人のフォロワーがいて自由に働いているのに、なぜでしょうか。
「インスタグラマーとしての仕事は、コロナに大きく影響を受けました。アパレル業界全体が厳しくなって、私たちのような外注に仕事をふる余裕がなくなったことが、大きな原因です。美容やコスメのアカウントの人たちも、皆同じような状況ですね」
華やかに見えるインフルエンサーですが、現実は、PR会社などから「この商品を紹介したら、フォロワー数×1円払う」等の発注を受けて、使ったこともない商品を持って投稿したりする、せちがらい仕事も多いのです。
「私は彼氏が稼いでくれているので、生活はできていますけど、仕事が減って暇になって、なんとなくモヤモヤする日々が続いていました。そんな時、久しぶりに大学時代の友人と電話で話す機会があったんです。
大学時代の友人たちは、そのまま埼玉に残っている子が大半で、結婚して子どもを持っている子も多いです。その電話の友人も埼玉で保育士として働く既婚者で。
『私は東京で好きに働いているけれど、なんだかんだ地元で落ち着いている友人たちの生活にも憧れてしまう』、ということを彼女に伝えました」
この1本の電話がきっかけで、後に沢田さんは自分の人生を考え直すきっかけになります。
普通の女の子がインスタグラマーになるまで

コロナの影響で仕事が減ってしまった

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