インフルエンサー仕事で生活する女性が、転職を決意した“友人の言葉”
身の丈に合った暮らしについて考える
「『田舎暮らしだけどさ、私はなんか、今の暮らしが自分の身の丈に合ってるなって思うんだよね。今日子は都心に住んでてさ、華やかな仕事してるから……気苦労が多いだろうなって、話聞くと心配になるな。私ですら、未だに職場で保護者に学歴のこと馬鹿にされる時とかあるけど、東京にいたらそういうのもっと多そうだもんね。偉い偉い、よく耐えてるよ』
そう言われて気づいてしまったんです。都心に住んで、憧れの職業に就いて。なんとかがんばってるって思ってたけど、こうやってコロナなんかでパタッと仕事がなくなっても、自分ではどうにもできない。私は家賃が払えなくなって、彼氏が出してくれるからなんとか都心に住めている。でも、そこまでしてここで、そういう生活がしたいのかって、考えちゃったんです」
自分を見つめ直すために転職を決意
「フォロワーの数でギャラ勘定されて、憧れてもらうためにキレイな自分を維持する努力をすることに、ちょっと疲れてしまったんだと思います。そうしたらすごく腑に落ちて、インフルエンサーという職業が、自分にとってすごくストレスになっていたことに気づいて……一度自分を見つめ直したくて、転職することを決めたんです。
人生的なスペックが一緒の友人からの言葉は、誰よりも共感力があって、電話しながら30分くらい泣いてしまいました」
インフルエンサーは確かに自由な働き方かもしれませんが、ずっと人に興味を持ってもらう自分で居続ける努力や、投稿をし続けることも、とても大変なことです。フォロワーの増減でギャラが変わる仕事も多く、自分の価値を他人からの評価で決められたり、時には炎上のリスクとも戦わねばならず、ある意味精神的にはとても荷が重い仕事だったのかもしれません。
現在沢田さんは、事務職での転職活動を考えているそう。世間からみて憧れるような仕事でも、誰にでも向いているとは限らないもの。華やかな仕事についていても、その人が幸せかどうかは、本人の感じ方次第ということですね。
―シリーズ「人生の転機で変わったもの、変わらなかったもの」―
<文/ミクニシオリ イラスト/ただりえこ> 1
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