夫婦のセックスレスは世界共通の悩み。でも アメリカでは「恥ずかしいこと」
【私の国際離婚日記 vol.5】
単身渡米し、アメリカ人の夫と約10年の結婚生活ののち、昨年離婚した左近サクラさんの体験談です。(以下、左近さんの寄稿)
離婚に至る数年前から出張の多い元夫の職業も手伝って、完全なる生活の行き違いに陥り、セックスレス状態になっていった私たち。
一つ後悔しているのは、私たちはそのことについての話し合いやマリッジカウンセリングに通うなどの努力を一切しなかったこと。アメリカ人カップルの多くが通るとされるルートを最後まで回避しつづけていたことです。
日本より性生活をカジュアルに楽しんでいそうなイメージを持たれるようですが、アメリカを始めとする英語圏の国々にだってセックスレスで悩んでいる夫婦はたくさんいます。
2015年の調査ですが、「Sexless Marriage(セックスレス結婚)」とGoogle検索する人は「Unhappy Marriage(不幸せな結婚)」で検索する人の3.5倍、「Loveless Marriage(愛のない結婚)」と比較すると8倍も多かったそう(『ニューヨークタイムス』2015年6月24日より)。セックスレスは万国共通で夫婦が持つ悩みなのです。
日米で違うところがあるとすれば、日本ではライフステージや生活環境によっては「レスでもしょうがない」と考える人が多い一方、アメリカではどんな年齢・状況であっても「セックスレスなんてあり得ない」という考えが強いところかな、と思います。
そのため日本でたまに聞かれる 「うちなんか長年ご無沙汰よ、アハハ!」のような冗談じみた会話をアメリカで聞くことも、ある一定の年齢を過ぎたり、子どもが生まれたりしたりした人に対して「まだお盛んだなんて恥ずかしい」と陰口を叩くこともありません。
アメリカでは逆に、セックスレスが“恥ずかしいこと”だからです。
セックスレスを恥とする国、アメリカではその相談を友人や知人にすることこそしませんが、代わりにセックスに関するカウンセリングに通ったり、雑誌やTVラジオの人生相談に投稿したりすることが盛ん。
そこであたかも国家ルールのように告げられるのが「とにかくセックスしなさい」というお言葉。「アメリカ・ファースト」ならぬ「セックス・ファースト」のレクチャーを受けるのです。
「セックス・ファースト」を実現させるためなら、SMプレイを試してみるもよし、バイブレーターを購入するもよし、はたまた3Pをやってみるもよし、と破天荒なことを言うカウンセラーもいます。
二人の子持ち・専業主婦(43歳)の友人は、夫婦仲が最悪だったころにカップルカウンセリングを訪問。やはり「幸せな結婚生活を送るにはセックスが一番大事。離婚したくないならとにかくいたしなさい」と言われ、できたのが二人目の息子だったそう。
現在はまた夫婦の倦怠期に入っているようで、妻側にはその気がないどころか、よく「夫に触られるのも気持ち悪い」と愚痴をこぼしているのですが、カウンセリング効果は10年以上経った今も彼女の夫の中では健在なようで、たびたび夜中に夫の手が伸びてくるのだそうです。
冗談まじりの「レス主張」「まだお盛んなんて恥ずかしい」は日本特有?

レスを解消するためなら破天荒な行為も推奨?

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