だれもいない仏間なのに…娘が遊んでいた「女の子」って?
祖父母や両親が住んでいた田舎の家が現在空き家になっているという人は、結構いますよね。買い手も見つからず、固定資産税も安いことから処分せずにそのまま持っているケースも多いようです。
「義両親は中国地方の山村で農家をしていて、離農しても亡くなるまでそこに住んでいました。空き家になって10数年経ちますが、お墓が敷地内にあることから手放すわけにもいかず、家も私たち夫婦や義兄夫婦が定期的に訪れて掃除や草むしりをしていたんです」
そう話す波多野さゆりさん(仮名・46歳/食品工場パート)は、この義実家で忘れられない思い出があります。現在大学生の娘さんが子供のころは毎年家族で帰省していたそうですが、彼女が4歳のとき、義実家で“不思議な体験”をしたというのです。
「当時はまだ義母が存命で、娘も『ばあば!』ってべったりなついていました。その年はちょうどお盆休みに帰省したのですが、娘の様子がちょっとヘンだったんです」
家の中や庭先を駆けずり回っていたそうですが、最初は久々に来たからはしゃいでいるだけだと思っていたとか。しかし、時々ぼんやりと宙を見つめるようなことがあり、違和感を覚えたといいます。
「公園とかでほかのお友達と一緒だと走り回ったりしていましたが、普段ひとりでそういうことはしていなかったからです。あと、明らかに誰もいない場所をボーッと眺めているから気になっちゃって。娘に確認しても『ううん、なんでもない!』って言うし」
ところが、帰省して3日目、娘さんが突然こんなことを尋ねます。
「仏間を指さして、『ママ、あの女の子はだれ?』って。けど、そこには人なんかいなくて、誰もいないよって返事をしたんです。そしたら『やっぱり、なんでもない』と言い、同じことを聞いてくることはありませんでした」
しかし、その後も無人の部屋や庭をキャッキャとはしゃぎながら遊んでいた娘さん。さゆりさんは気になって夫に相談するも「楽しんでるんだからいいじゃないか。お前の考えすぎだよ」と言われ、それ以上話すことができなかったそうです。
「でも、義母は娘の行動に気になった点があったらしく、『いつもあんな調子なの?』って聞かれたんです。それでいつもはそういうことはなく、帰省してからだと説明したんです。それと誰もいない仏間に女の子がいるという話も伝えました。すると、義母はピンと来るものがあったのか『本人に確認してみるのがいいかもしれないわね』と娘に話を聞きにいったんです」
義実家で誰もいない場所をボーッと見つめている娘
誰もいない仏間に女の子がいる

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