Gourmet

拡散する「朝に食べたらNGな果物」の大ウソ。踊らされないで!

オレンジやグレープフルーツなども大丈夫

オレンジ、キウイ 私たちが知りたいのは、キウイがセーフということだけではないはずです。同じくメジャーなオレンジやグレープフルーツなどが大丈夫かということまで確認したいのではないでしょうか? それに答えるべく西山教授に提示してもらったのが、このデータ。  キウイフルーツ(果肉/果皮)は423キログラム、オレンジジュースやグレープフルーツジュースは一度に大量摂取しない限り、光毒性を心配する必要はないということになります。厳密には、朝、柑橘ジュースを一度に1リットル以上飲まない限り、リスクはないと理解してよいでしょう。 ソラレン誤解・果実※フロクマリン10mgの意味 ソラレン類の摂取によって影響が出るか出ないかの閾値が15mg程度であると指摘する論文(Food Chem.Toxicol.,29,523-530(1991)を元に、安全のため10mgの摂取で日焼けが増す可能性があるとして、西山教授らのチームが分析・算出を行った。

噂を広めた発端の番組に確認したら……

 さらに西山教授らが、噂の発端や拡散原因となった番組を制作したテレビ局(複数番組)に事実確認を求めたところ、いずれも根拠がない情報であったことが判明したとのことでした。  最後に、西山教授は、ソラレンとはそもそも「危険有害性情報(※)」において「警告」の区分とされる有害物質であり、よほどの根拠がない限り安易に、特定の食品に多く含まれるということは許されないはず、とのこと。  テレビ番組の信憑性って一体……と疑いたくなりますが、とにかく朝キウイや朝オレンジは心配するべからず。日焼けやシミ・ソバカスの予防効果が期待されていますから、積極的に取り入れていって大丈夫でしょう! ※危険有害性情報とは? GHS(The Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals) →「化学品の分類および表示に関する世界調和システム」と訳される。化学物質の危険有害性について、その分類および表示方法を国際的に統一し、労働者・消費者・輸送関係者などの使用者が、安全に化学品を扱うことができるよう配慮した仕組みのこと。2003年3月に国連より勧告・公表されている。 参考: 西山一朗「キウイフルーツにソラレンが含まれる」は事実無根である(2020/02/25) 西山一朗「果物や野菜に含まれるソラレンの量はどのくらい?」にお答えします【拡散希望】(2020/09/23) <文、写真/スギアカツキ 監修/西山一朗> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
スギアカツキ
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12
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