『姉ちゃんの恋人』林遣都の演技にハズレなし!過去作でも光る名演
今期は久しぶりに恋愛ドラマが花盛り。日テレ系では『#リモラブ』、TBSでは『この恋あたためますか』がそれぞれ話題になっている中、現在フジテレビ系で放送されているのが有村架純主演の『姉ちゃんの恋人』です。
有村架純演じる主人公の安達桃子は、交通事故で両親を亡くし、ホームセンターで働きながら3人の弟たちを養っている令和の肝っ玉姉ちゃん。一家の大黒柱として日々明るく前向きに生きている彼女が、同じ職場のワケあり青年に恋をする……というのが今作のストーリー。
そして、桃子の恋のお相手である吉岡真人を演じているのが、今や演技派の若手俳優筆頭とも言われている、林遣都です。
真人は繊細な演技が必要となる難しい役どころ
真人は、桃子の働くホームセンターで配送業務をしている真面目な青年。しかし初回から、もしコロナで職を失っても次が見つからないだろうと先輩の高田(藤木直人)に語るシーンがあったり、保護司(光石研)が登場するなど、明らかに重いものを背負っていそうな雰囲気が満載です。 母である貴子(和久井映見)との行間を読ませるような会話や、セリフもなくただ歩いたり仕事をしている時の表情からも、真人の中に燻る何かを感じさせます。 今作は数々の名作ドラマを世に送り出してきた岡田惠和のオリジナル脚本。岡田氏によれば、この真人役は林遣都への当て書きなんだとか。真人は繊細な演技が必要となる難しい役どころ。林遣都だからこそ演じられる役柄を作り出している時点で、彼が岡田氏からどれほど信頼を寄せられているかがうかがえます。 筆者のドラマへの率直な感想をここで述べておくと、今作はとにかく林遣都の演技力と存在感を強く焼き付ける一作となっています。このままいけば、彼の新しい代表作に連なる可能性もありますね。あらためてその実力に感嘆すると同時に、以前に彼がテレビドラマで魅せた高い演技力もおさらいしておきたくなりました。 今回、林遣都が才能を遺憾なく発揮した、近年のドラマでの役どころについても注目してみましょう。
『おっさんずラブ』恋に悩み苦しむ、切なさ満点の演技に脱帽
林遣都の名をお茶の間に一気に広めたドラマといえば、2018年に放送された『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)です。 彼の演じた牧凌太は、主人公・春田創一(田中圭)の会社の後輩でありルームシェアの相手。合コンでもモテるエリートでイケメン(ちなみに巨根)、しかし春田に片思いしているゲイという設定です。 『おっさんずラブ』の物語の軸はラブコメディです。おっさん同士の恋愛模様を笑いを交えた明るいテイストで描いています。しかし、今作において大いなる誤算であり、大成功の要因でもあったのが林遣都の存在ではないかと思います。 春田への想いに悩み苦しみ、切ないまでに相手を想う生き様は多くの視聴者の涙を誘いました。結果的に、今作はラブコメ以上の純愛物語として世に受け入れられたのです。 もしかしたら牧を彼以外が演じていたら、『おっさんずラブ』の大ヒットはなかったのかもしれません。
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