生理中は妊娠しない?謎の出血は病気?実は知らない生理のギモン
男女の体のことや性のこと、子どもにどう教えればいいんだろう? というか、そもそも自分の知識は正しいのかしら?――そう思うことってありますよね。
いま「思春期外来」を設ける病院が増えています。心身の悩みや、性の相談にのってくれるところも。たとえば上野皮フ科・婦人科クリニック(東京・台東区)では8年前から婦人科で「思春期外来」を行っていて、Q&A形式の著書『10代の[性の悩み] 白書』を上梓しました。
生理、妊娠、性感染症、不妊――この本を見ると、大人の私たちでもちゃんと知らないことがたくさん!(特に、男子の性のことなど、息子がいる人の参考になりそうです)
そこで今回は、生理について見落としがちな基礎知識を紹介します。以下、回答は上野皮膚科・婦人科クリニック・思春期外来です。

生理中は妊娠しないというのは間違いです!
女性側の卵子と男性側の精子が出会うことを受精といい、これが妊娠の始まりです。つまり、排卵(卵巣から卵子が出てくること)のタイミングに合わせて性交渉をすると、妊娠しやすいということになります。
生理周期が28日の人の場合、だいたい生理から14 日目付近で排卵が起こります。精子の生存期間は2~3日なので、生理中は排卵日まで日があるし大丈夫、と考えがちですが、それは危険です。精子の生存期間はあくまで平均的な期間で、なかには1週間生存している精子もいるんです。
そうすると、生理の6~7日目に避妊せずにした場合、1週間生存していた精子と排卵のタイミングが合ってしまう可能性があるのです。

また、正常とされる生理周期は日本では25~38日とされています。周期は個人差がありますが、健康な人でも生理が数日ずれることはよくあります。生理がずれるということは排卵のタイミングもずれていることが多いため、生理の時点で次の排卵日がいつなのかはわかりません。もしかしたら、いつもより早く排卵し、妊娠しやすいタイミングが早まるかもしれないわけです。
体調やストレスなどで生理や排卵の周期が変わることは比較的よくあるので、生理中の性行為による妊娠は、誰にでも起こりうることです。
また、不正出血を生理と勘違いしていた、というケースもよくあります。そうすると、ちょうどその出血が排卵日付近の出血(排卵出血)だった場合は、逆に妊娠する可能性が高くなってしまうのです。
生理がある年齢の女性に安全日(絶対に妊娠しない日)はありません。妊娠を希望しないときは必ず避妊をしてください。

生理中は妊娠しないというのは本当?

生理がある年齢の女性に“安全日”はありません
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