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湯豆腐のシンプルな旨さに癒やされる。こだわりの2選

 豪勢な料理を食べて過ごした正月。疲れ気味の胃袋にもちょうどいい塩梅なのが、湯豆腐だ。シンプルだからこそ際立つ素材本来の旨味と温もりに、身も心も満たされること間違いなし!

良質な“大豆と水”が味の決め手。シンプルな湯豆腐の奥深き味を食す

湯豆腐 年も明け、日増しに寒さが募るこの季節は、冷えた体を芯から温める鍋料理がますます恋しくなる。旬の食材を贅沢に盛り込んだ鍋はもちろん旨いが、今回、注目したいのは「湯豆腐」。  言わずもがな、昆布だしの湯で煮た豆腐をタレと薬味で食すのが基本の至ってシンプルな鍋で、その歴史は古く、江戸時代に京都の南禅寺の門前で茶屋料理として供されたのが始まりとされる。故に、湯豆腐と言えば「京風」と呼ばれる上記の食べ方がよく知られているが、実は、地域によってさまざまなスタイルがある。  神楽坂にある「和酒BAR風雅」では、「温泉湯豆腐」なる湯豆腐を提供している。聞くと、佐賀県の嬉野温泉の名物で、温泉水を使って作る湯豆腐なのだという。
湯豆腐

和酒BAR風雅の「温泉湯豆腐」

 店長の銭谷友美さんが話す。 「最大の特徴は、煮込むほどに豆腐の表面が溶け出して温泉水が豆乳のように白濁すること。これは、温泉水に含まれるアルカリ成分が豆腐のタンパク質を溶かす作用があるためですが、結果、豆腐の食感も味わいも一段とまろやかになって、よりおいしくなるんです」

まろやかな食感が舌の上に広がる

 通常は厨房で仕上げてから提供するというが、今回は特別に目の前で鍋に火を入れてもらう。弱火で煮ること約15分、透明だった温泉水は完全な白濁状態に変化し、豆腐は角が取れて丸みを帯びた食べ頃に。
湯豆腐

この状態から弱火で火を入れると徐々に白濁が始まり、15分ほどで豆腐のカドが取れて食べ頃に

 まずは、自家製のポン酢で頂く。口に入れた瞬間、まろやかな食感が舌の上に広がる。噛まずともトロけるさまは、豆腐の新食感だ。続くごまダレもまた、程よくだしの旨味が効いていて、豆腐の味わいを引き立てている。  豆腐は九州産の大豆フクユタカを使って、毎日作りたてを提供。また、温泉水は熊本県阿蘇からアルカリ成分を強めた状態のものを仕入れる手間のかけようだ。  食べ進めていく段階で、汁の表面に湯葉状の膜が張ってくるが、それも掬って食べるのもおいしい。  築80年の古民家を改装した趣ある佇まいの同店は、料理のみならず酒類も充実。季節や料理に合わせて日本全国の旨い酒を取り揃えている。こだわりの酒を嗜みつつ、温泉湯豆腐の優しい味わいに癒やされてみてはいかがだろうか。
湯豆腐

日本全国から選りすぐった名酒・美酒・希少酒は、季節や料理との相性で最適なものを随時取り揃える

▼和酒BAR風雅の「温泉湯豆腐」 佐賀県の嬉野温泉が発祥とされる温泉水を使った湯豆腐は、口当たりのまろやかさとトロッとした食感が唯一無二のひと品。豆腐が溶けた残り汁は、雑炊にして食すのが旨い。小1500円(税抜き)
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豆腐の製法「お湯取り式」とは?
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●「S級グルメ」東京を中心としたS級なグルメ情報/インスタグラム tokyofood_srank

●和酒BAR風雅
東京都新宿区神楽坂5-30
営業時間:17:00~24:00(L.O.フード22:30、ドリンク23:00) 日曜祝日定休
こだわりの日本酒を常時20種類用意。各種コースメニューも取り揃える

●なか川東風庵
千葉県市川市八幡3-7-18イーストウインド本八幡1F
営業時間:11:30~14:30(最終入店13:45)、17:30~23:00 月木定休
ディナータイムは3800円からのコース料理あり

※新型コロナウイルスの影響により、営業時間や定休日が変更になっている可能性があります。最新情報は店舗にお問い合わせください。
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