人気スタイリスト・亘つぐみさんに聞く 「服選び&着こなしのマイルール」
ファッション誌やCMのほか、『逃げるは恥だが役に立つ』『ルパンの娘』など数々の人気ドラマのスタイリングも手掛けるスタイリストの亘つぐみさん。長年のキャリアと磨き抜かれたセンスによるコーディネートが多くのモデルや女優から支持されている、まさにファッション界のカリスマ的存在です。以前、女子SPA!では「『逃げ恥』スタイリストに聞く“みくりコーデ”の秘密。ドラマが2倍楽しくなる」という記事で話を聞きました。
そんな亘さんは、ご自身のファッションもとってもおしゃれ! 日々のコーデを紹介しているインスタグラム(@tsugumiw)を見ると、あまりのステキさにどれもこれも真似したくなるほど。シンプルだけど個性的で、「この着こなしにはどんなマジックが……」と不思議になってきます。
亘さんの洗練されたスタイルは、一体どのように生まれどのように磨かれ続けているのでしょうか。己のセンスにいまいち自信のない人でも無理せず参考にできることはないか、話を聞いてきました!
【前回記事】⇒「逃げ恥」スタイリストに聞く“みくりコーデ”の秘密。ドラマが2倍楽しくなる
――亘さんはスタイリストの仕事を始めて何年になりますか?
亘つぐみさん(以下、亘)「もう30年ですね。その前はハイブランドでPRをしていて、さらにその前は伊勢丹で販売員をしていました。服に関わる仕事しかしていませんが、スタイリストが一番長いということは一番自分に合っていたんでしょうね。自由に個人として動けるのが楽しいし、仕事内容に広がりもあるし」
――組織で特定のブランドに関わっているときは窮屈でしたか?
亘「私はいつでも『したいようにする』ので、よく怒られてましたね(笑)。もう30年以上も前の話ですけど、ニューヨークに行って髪をメッシュにしてきたときはすごく怒られました。当時、日本ではまだメッシュの人なんていなかったので驚かれて。
でも、『これはニューヨークではすでに流行しているファッションのひとつで、そもそも私はファッションを売る仕事をしているというのに、何がいけないんだ!』と盾突いて、決して直しませんでした。一応、勤務中は髪を結びましたけど」
――そのファッションへの強い情熱はいまも変わらないんですね。
亘「自分の好みを第一に、したいようにする。そこは変わりませんね」
――「派手だと思われるかも」「似合ってないと思われるかも」など世間の目が気になって、“したいようにする”ができていない人は多いですよね。
亘「なんでだろう。人がしていないことはしちゃいけないなんて法律はないし、それが個性なのに。『占星術において200年ぶりに土の時代から風の時代になった』という話を聞いたことがある人は多いと思いますけど、風の時代=情報や知識のような形のないものの時代。
実際、これからはモノや場所に縛られず個人個人が身軽に動く、個性が大切な時代になっていくと思うんです。そんな時代に、会社がどうのとか世間がどうのとか言ってる場合じゃない。自分らしく自分のしたいことをしていくのが、時代にも合っていて素敵に見えると思いますよ」
――周りを気にしてばかりいると、自分が本当に好きな服すらわからなくなりそうですね。
亘「まずは一回、自分が本当に好きなものやしたいことを思い返してみてほしいですね」