この坂本さんの夫について、市岡氏は「現時点では“老化の範疇”ともいえるが、
放っておくと更年期障害に繋がる可能性は大いにある」と判断。女性と違い男性の加齢に伴うホルモン低下は緩やかなため、このように
少しずつ「枯れていく」ケースが多いのだという。

「以前は気にしていた加齢臭のケアも怠りがちで、本当に枯れてきている感じですね」
「少しずつとはいえ、本人は気にしていないような点でも、奥様はすでに気になっている様子が見て取れます。悪化すると本人も辛いですし、本格的に家族や周りに迷惑をかけてしまう前に気軽に受診してみてほしいですね」

1~17が男性更年期の症状。体、心、性的な症状に分類でき、とくに体と心に不調が多い場合は疑うべき。ただし、生活に支障をきたすレベルで悪い項目があるときは、点数に関係なく注意信号
チェックシートの点数によって症状の状態が判断できますが、市岡氏
は「一つでも生活に支障をきたすレベルで悪化しているなら、それだけで注意信号です」と断言。
もし「最近、夫が変だな……」と感じているならば、男性更年期の可能性を考えてみてもいいかもしれない。
【市岡健太郎氏プロフィール】

泌尿器科医の市岡健太郎氏
泌尿器科医。‘11年、京都にいちおか泌尿器科クリニックを開院。男性更年期障害が発症した経験を生かして、クリニックならではの親近感をモットーに、日々の診療にあたっている
<取材・文/持丸千乃>