“ぼったくり男爵”バッハ会長に日本在住ドイツ人も「マジ迷惑してます」/マライ・メントライン
ドイツでお得な定番学位は歯科博士号
図々しさと悪びれなさと無神経さがハンパない
ドイツではこの現象を「ビタミンBによるパワーアップ」と呼びます。この「B」はドイツ語のBeziehungen「関係」、意訳すればつまり「コネ」のことですね。しかもいったんそれをゲットすれば、その有利さを世襲的に引き継げる可能性も高い。おいしすぎるぞ俺! 的な展開ここにあり。もちろん日本社会でも同様の現象はあるでしょうけど、こっちは数百年にわたる強固な伝統的実績を踏まえているだけに、図々しさと悪びれなさと無神経さがハンパないのですよ。ぐぬぬ。 というか逆に、彼らは「図々しさと悪びれなさと無神経さを武器に、道理を手前勝手に歪(ゆが)めながらここまで社会を仕切ってきた」とも言えるわけです。 そして現時点でそういう伝統的構造を倒すベクトルで動こうとしているのが、理性軽視のいわゆるポピュリズム勢力しか目立っていない、という点が、またぞろシン・理性的な悩みを深めてくれるのです。嗚呼。 <文/マライ・メントライン>
マライ・メントライン
翻訳(日→独、独→日)・通訳・よろず物書き業。ドイツ最北部、Uボート基地の町キール出身。実家から半日で北欧ミステリの傑作『ヴァランダー警部』シリーズの舞台、イースタに行けるのに気づいたことをきっかけにミステリ業界に入る。ドイツミステリ案内人として紹介されたりするが、自国の身贔屓はしない主義。というか、エンタメ作品は英米の精鋭作品のコンセプト性をベースに評価することが多いので「エンタメ途上国」ドイツへの視線は自然に厳しくなるとも言える。好きなもの:猫&犬。コーヒー。カメラ。昭和のあれこれ。牛。QJWebなどでコラムを執筆。
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