第1話で、“親”になった以上、親でいることしか許されないと思っていた俊平が悲しみをほとばしらせて号泣するシーンが圧巻です。そして、俊平の嘆きを胸つかまれるほど豊かに表現してみせた重岡さんに、役者としての底知れぬ可能性を感じます。
俊平も、礼もゆきのもアラサーで、“大人”ではあるけれど、まだまだ親に甘えて恋を楽しんでもおかしくはない年頃です。ましてや、つらいときは誰かになぐさめてもらったり、包んでもらったりもしたいはず。
世間に割り振られた肩書きをとっぱらって、ときにはおたがいの“親”になったり“子”になったりしながら、一緒に食卓を囲んで、笑って、温かい気持ちで眠りにつく。血のつながりでなく、絆で結ばれた本当の家族の姿を“にじやファミリー”は見せてくれるのだと思います。
最初からそういう家族を持っていなかったら、途中でメンバーを亡くしたら、あとは孤独に耐えなければならないのではなく、
新たなつながりに身をゆだねてもいいのだと思うだけでも、救われる気がします。
家族といえば、“ジャニーズWEST”も素敵な縁で結ばれたファミリーだと思います。彼らが歌う本ドラマの主題歌「でっかい愛」は、大らかな愛情に満ちたさわやかな一曲で、これまた心なごみます。
これから先、俊平たちはどんな“家族”になっていくのでしょうか? 楽しみに、見守りたいと思います。
<文/みきーる イラスト/二平瑞樹>