――記録映画として、この先もずっと残り続ける作品になっていくと思いますか?
堤:ウッドストックのようにDNAにこびり付くんです。記憶ですり替えて、美化してる部分もありますが、DNAにこびり付く感じは、映画であるがゆえに、スクリーンと一対一で対峙して没入する感覚です。
ドルビーシネマは今体験出来る没入感の最高峰だと思います。よしんば嵐のファンではないとしても、東京ドームのあの祝祭的感じというのは、どこか記憶の襞(ひだ)にこびり付いて、あれはカルチャーとも、アーティストとも、エンターテインメントとも言える、何だかジャンルでくくれないけど、記憶に残るものだと思います。
それが過去のライブ映画から学んだことだし、今後もチャンスがあれば目指して行きたいところです。もちろんこんな贅沢な、125台もカメラで撮影することは出来ないかもしれませんが、生のアーティストをもぎ取って、人々の記憶に植え付けるということは続けたいなと思います。
――最後に観客へメッセージをお願いします。
堤:今、映画館でライブ音楽を楽しむのは、大事なことだと思うんです。このコロナの時期、どうしても非常に狭い関係で音楽と向き合うしかなかった。家で見る、ライブ会場に行けたとしても声は出せない、騒げないという状況の中で、今この『ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”』を観ると、ちょっと切ない感じすら思えるくらいです。
嵐活動休止としての記録的なニュアンスもありますが、このときのライブ状態に戻していかなきゃならないし、必ずや、みなが知恵を使えば、戻していけるし、戻っていくと思うんですね。その時代の裂け目を嵐が結んでいるので、ぜひその気持ちを映画館で汲み取っていただきたいです。
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<取材・文/加賀谷健>
加賀谷健
コラムニスト / アジア映画配給・宣伝プロデューサー / クラシック音楽監修「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業 X:
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