車椅子はOKで、双子用ベビーカーがNGなのはなぜ?
秋澤:私が怒りを覚えた理由のひとつとして、当時の都バスはキャンペーンで「1人乗りのベビーカーは畳まずに乗れます」と謳(うた)っていたんですよ。つまり
「我々は子育て世代のこともちゃんと考えていますよ」と主張しておきながら、実際は当然のように乗車拒否してくる有様だったから、それはあんまりじゃないかと思ったんです。

写真はイメージです
──重量だけでいえば、たとえば車椅子だって相当な重さになるはずです。なぜ双子用ベビーカーだけが目の敵にされるんでしょうか?
秋澤:謎なんです。車椅子自体が15kgくらいだとして、そこに乗る成人男性の体重が70kgあるとしたら、
車椅子はトータル85kgくらいになりますよね。一方、双子用ベビーカーは縦型と横型で重さはだいぶ違うんですけど、それでも
10kgの子ども2人を乗せたところでトータル40kgいかない程度。ついでに言うと車椅子は規格によって手動は630mm以下、電動は700mm以下と決まっているのですが、大きく見える双子ベビーカーも実際は700mm程度の商品が多く、600mm台のものもあります。だから正直、そのへんは先方が双子ベビーカーを拒絶する根拠としては弱いんですよ。
──小池都知事との対面は実際どんな感じで進みましたか?
秋澤:普段と違う環境だったせいか、連れていったうちの子どもがグズり始めましてね。だから慌ててタブレットを見せながら静かにさせようと思ったんですけど、小池都知事は「そうだよね~、怖いよね~」と優しく声をかけてくれました。

──2人いると、相乗効果で騒ぎ出して収集がつかなくなることも多いですからね。
秋澤:予定では、その場で「子ども2人をおんぶ抱っこしながらベビーカーを畳む」実演をするつもりだったんですよ。だけど私も小池都知事に会うということで慣れない靴を履いたことが災いし、14kgのベビーカーを畳もうとした時点でよろめいてしまったんですね(笑)。フローレンスのスタッフさんが「この状態で、さらに子どもたち2人を抱えて荷物を持つこともあるんですよ」と補足説明してくれまして。小池都知事も心配そうな表情をされていましたね。